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【サイエンスフォーラム通信7月号】        2011.7.26 発行
現場の問題解決のための実践図書・セミナー
                http://www.science-forum.co.jp/
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小社のセミナー/書籍情報のメール配信を希望されている方へ配信して
います。                                   NO.572
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《読者の皆様へ ―― 大詰めを迎えた放射性物質の食品健康影響評価》

暑中お見舞い申しあげます。新たに牛肉の放射性セシウム汚染が発覚し、
不安が高まる今月21日(木)、食品安全委員会の「放射性物質の食品健
康影響評価に関するワーキンググループ」(第8回)が開催されました。
いよいよ評価の大詰めです。
 
ご承知の通り「放射性物質に関する緊急とりまとめ」で示された暫定
規制値は、緊急を要するため食品健康影響評価を受けずに定められた
ことから、3月20日、厚生労働大臣が食品安全委員会に対し「食品衛生
法第6条第2号の規定に基づき定める放射性物質の指標値を定める」こと
を狙いとして、評価を依頼しました。

食品安全委員会はこれを受け評価を迅速に進めるためワーキンググルー
プを設置し、4月21日(木)の第1回会合を皮切りに、これまで集中的に
検討を進めてきました。

検討の行方が注目された点は次の諸点です。
 
○ 累積線量100ミリシーベルト以下の低線量下における発がん性など
   の確率的影響
  → 疫学データにもとづき、100ミリシーベルト以下のどの値を基準
       にとるか
○ 放射性物質の遺伝毒性・発がん性リスクおよび胎児への影響に関する
   詳細な検討
○ 食品由来の内部被ばくと総被ばく量との関係に関する検討
○ ウランならびにプルトニウムおよび超ウラン元素(アメリシウムおよ
   びキュリウム)のアルファ核種についての評価
○ ストロンチウム(放射性セシウムに関連して)についての検討

中でも議題の一つである低線量の放射性物質について、第8回の当日、
山添 康座長(東北大学大学院薬学研究科 教授)から以下のたたき台が
提示されました。

┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓
★   ■□  低線量の放射性物質について     ■□  ★
┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛

● 低線量の放射性物質の健康への悪影響に関する検討においては、動物
   実験あるいはinvitro実験の知見よりもヒトにおける知見を優先する
   こととした。低線量における影響は、主に発がん性として現れる。
   そのため、疫学のデータを重視した。

● ヒトにおける知見(疫学データ等)については、核種を問わず、曝露
   された線量についての情報の信頼度が高いもの、および調査・研究手
   法が適切なものを選択して食品健康影響評価を行うこととした。

● 放射性物質に関する食品健康影響評価は、本来は、食品の摂取に伴う
   放射性物質による内部被曝のみの健康影響に関する知見に基づいて行
   うべきであるが、そのような知見は極めて少なく、外部被曝を含んだ
   疫学データをも用いて評価をすることにした。
  また、根拠となり得る疫学データから、累積線量によって健康への
   影響を検討することが妥当と考えられた。(中略)

● 以上から、本ワーキンググループが検討した範囲においては、成人に
   関しては、放射線による悪影響が見いだされているのは、追加の累積
   線量として、おおよそ100mSv以上と判断した。さらに、小児に関して
   は、成人よりも影響を受けやすい可能性に留意することが必要と考え
   られた。

● 100mSv未満の線量における放射線の健康影響については、疫学研究で
   健康影響がみられたとの報告はあるが、信頼のおける試験成績と判断
   することは困難であった。
   種々の要因により、疫学調査で影響を検証し得ていない可能性を否定
   することはできないが、追加の累積線量として100mSv未満の健康影響
   について言及することは現在得られている知見からは困難であった。
 
討議の結果、以下の2点が結論として確認されました。

(1)累積線量は100mSvがボーダ−(境目)になる。それ以下の
      低線量は悪影響(閾値)があるとも無いとも言えず、評価は出来
      ない。
(2)但し、小児や胎児については低線量でも十分注意を要する。甲状
      腺がんおよび白血病のリスクについて注意を提起する。
(3)累積線量で評価をまとめる。累積線量を用いる根拠を報告書に明
      示する。

議論の中で「最終的な健康影響の方向性を議論して、何らかの値を出し
ていきたい。」との山添座長の発言は聞かれましたが、WGの全体の論調
やたたき台のまとめ方を見る限り、どうやら暫定規制値が追認され、
100mSv以下の新たな許容値の設定は霧散したようです。

当日のWGを取材された大手新聞社の或る記者の方は「議論がまったく
後退している。これでは緊急とりまとめと何ら変わらない。WGの役割は
一体何だったのか」と指摘し、傍聴された化学メーカーの或る担当者は
「胎児への影響についてもう少し突っ込んだ議論がされると期待したの
に、失望した。」と語っていました。

本WGは、第9回の会合(7月26日)で報告書の最終とりまとめを行う予定
です。

内部被曝を含め放射性物質の人体影響はこれから確実に顕在化するもの
と思われます。週刊「AERA」2011年7月25日号は、かつて軍医少尉として
広島陸軍病院に勤務し、戦後は厚生省技官などとして数千人以上の被爆
者に接してきた肥田舜太郎氏(94)の次の言葉を伝えています。
 
「身体の表面への外部被曝と違って、呼吸、水、食物などを通した内部
被曝には(この数値以下は影響がないという)閾値がない。微線量でも
障害が生じる可能性があることは、海外の医学界の共通認識です。」
(同誌p.61)
 
さて、国民の命と健康を預かる食品産業を応援するため、小社は微力
ながら「除染食品開発フォーラム」を本年11月に開催すべく目下準備
中です。日常的な食を通して放射能汚染を出来る限り防御し体質を強
化することが喫緊の課題となっています。次号のメルマガで詳細をご
報告させて戴きます。

今月号は、発刊間近の『低温流通食品管理の鉄則』、現場の問題解決の
ための各種スキルアップ講座をご案内致します。お目通しを願えれば幸
いです。
                      代表取締役社長    元山  裕孝

■  INDEX ───────────────────────────
┣【1】新刊予約受付のご案内
┃       「低温流通食品管理の鉄則」
┃
┣【2】8〜9月開催のセミナーのご案内     
┃   ■ [第4回]食品安全のための工場点検ワークショップ
┃   ■ 異臭クレームを起こさないための官能評価ワークショップ
┃     【問題解決コース】
┃   ■ 清涼飲料水の微生物検査結果の理解度アップ講座
┃     【中級者向け】 
┃
┣【3】書評掲載情報 「最新版 食品分析法の妥当性確認ハンドブック」

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【1】  新刊予約受付のご案内
「低温流通食品管理の鉄則」 2011年8月10日頃発刊予定

★★ Webでご注文いただきますと2011年10月10日まで
     発刊記念特価 26,460円(税込)で承ります。

詳しい情報・お申し込みはこちらをご覧くださいませ。↓
http://www.science-forum.co.jp/books/0320.htm
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>>> 本書の特色 >>>
低温流通に関する技術は食材や食品の時空を制御するという進展を
遂げてきましたが、他方、不的確な低温制御により大きな事故に繋がる
ため、個々の段階で食品の特性を踏まえた適切な温度コントロールが
求められています。

東日本大震災のような異常時をも想定したフードチェーンにおける
低温流通管理に関するハード・ソフト両面の知見、特に日常的に
業務遂行するうえで必要な鉄則をそれぞれの専門家が多角的に解説
いたしました。
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【2】8〜9月開催のセミナーのご案内  
★ホームページからのお申し込みは定価の【5%引】です★
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▼ [第4回] 食品安全のための工場点検ワークショップ
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【開催日】 2011年8月18日(木)〜19日(金)
           ※ 2日間のセミナーです。
【会  場】飯田橋レインボービル1F(C・D会議室)
【受講料】定価63,000円(税込)
【定  員】40 名
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⇒ 詳細・お申込はこちらから↓
http://www.science-forum.co.jp/seminar/91120.htm
⇒ パンフレットのダウンロードはこちらから↓
http://www.science-forum.co.jp/seminar/print/2011/91120.pdf
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◆ プログラム
◇ 8月18日(木)
1. 工場点検時の着眼点と点検者に求められるもの
   〜国内外の工場点検を通して獲得したこと〜
2. 工場点検の実際(1):委託先の点検
3. 工場点検の実際(2):カルビーグループ工場の点検

◇ 8月19日(金)
4. 工場点検ワークショップ
 4-1 ワークショップオリエンテーション
 4-2 演習1 問題点の発見〜なぜダメ分析〜
 4-3 演習2 問題点の要因分析〜なぜなぜ分析〜
 4-4 演習3 工場点検結果の分析・評価と報告
5. 演習総括:工場点検ワークショップを実際の現場で活かすには
6. 意見交換&総合質疑  
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▼ 異臭クレームを起こさないための官能評価ワークショップ
  【問題解決コース】
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【開催日】 2011年9月15日(木)
【会  場】飯田橋レインボービル2F(中会議室)
【受講料】定価37,800円(税込)
【定  員】40名
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⇒ 詳細・お申込はこちらから↓
http://www.science-forum.co.jp/seminar/91121.htm
⇒ パンフレットのダウンロードはこちらから↓
http://www.science-forum.co.jp/seminar/print/2011/91121.pdf
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◆狙い:においを嗅いだだけで異臭の原因物質がある程度特定できる
エキスパートを目指すことを目的としています。
主に品質保証の分野で官能評価をなさっている方、品質保証の仕組みを
構築したい方、分析ご担当の方にお勧めの講座です。

◆プログラム
1. 問題解決のための異臭分析・官能評価のエッセンス
   ステップ1 異臭の事例から分かること
   ステップ2 異臭物質同定へのアプローチ
2. エキスパートを目指す官能評価の実技
   ステップ3 臭いを嗅ぎ分ける
   ステップ4 異臭物質を推定する
3. 総合質疑&まとめ
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▼清涼飲料水の微生物検査結果の理解度アップ講座【中級者向け】
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【開催日】 2011年9月29日(木)
【会  場】飯田橋レインボービル2F(中会議室)
【受講料】定価39,900円(税込)
【定  員】40名
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⇒ 詳細・お申込はこちらから↓
http://www.science-forum.co.jp/seminar/91122.htm
⇒ パンフレットのダウンロードはこちらから↓
http://www.science-forum.co.jp/seminar/print/2011/91122.pdf
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◆「危害菌の自主検査をどのように設計し実施するか」を問題意識と
   して、様々な設問を通して課題解決の視点とデータ考察力を養成
   する専門家育成プログラムです。

ワークショップは全員参加で検査結果の読み取り、原因究明の着眼点、
自主検査のポイントを中心に学習・体得します。
受講生の方には予め5問の設問を送付し、予習して頂いた解答を
ワークショップでの発表をお願い致します。

◆ プログラム
1. 微生物検査法 ? 世界の動向と日本の現状
2. 耐熱性嫌気性有芽胞細菌の性状と検出技術
3. 理解度アップワークショップ

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【3】書評掲載情報  「最新版 食品分析法の妥当性確認ハンドブック」
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食品衛生学会誌 第52巻3号(H23.6.25発行)に取り上げて戴きました。

評者:山崎 壮氏 
(抜粋)
分析機関では分析値の信頼性確保のための分析法の妥当性確認が求め
られている。また、世界的に見て、規格値による規制では、分析値の
妥当性を評価して判断する方向に進んでいる。その理解と活用はまだま
だである。本書の編者は序文の中で、「「妥当性」の明確な定義とその
要求事項を理解しないままに使用されている場合も散見されるし、逆に、
分析法の妥当性確認は、国際調和プロトコルによるフルコラボ(有効試
験室数8以上、試験材料5以上)でなくてはならないと考えておられる
方もいる。」と述べている。本書は、読者が妥当性確認の考え方を正し
く理解し、実施していただく際に役立つと思われる。
 本書の特筆すべき点は、食品分析の妥当性確認の概念と定義、妥当性
確認の要求事項、化学分析と微生物試験の妥当性確認、サンプリング
などの事項を、多くの具体的事例に分けて解説していることである。
試薬・機器の妥当性確認、分析値の信頼性確保に必要な内部精度管理
(内部質管理)や技能試験なども解説されている。
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※ 特別付録:練習問題CD-ROMについて

「第3章第1節 サンプリング」と「同第2節 データの統計的取
扱い」に掲載されている練習問題の解答及び解説を収録しています。

なお「データの統計的取扱い」では、書籍には未掲載の“妥当性確認
関連統計用語と統計の基礎知識”をはじめ5問の練習問題がCD-ROM
のみに収録されています。

※ 付録に関する詳しい情報はこちらをご覧ください。↓
http://www.science-forum.co.jp/bookpdf/0316/0316web9_CD.pdf
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詳しい情報・ご購入・試読 のお申し込みはこちらです↓
http://www.science-forum.co.jp/books/0316.htm

※ 申し訳ございませんが、試読にはCD-ROMがご利用戴けません。
   予めご了承くださいませ。
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ホームページで最新情報をご覧下さい。

各お手続きは下記URLよりお願い致します。
その際はお客様no.もお知らせいただきますと幸甚です。
(このメールへの返信には、配信停止・ご返答が出来ませんので
ご注意ください)
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