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【サイエンスフォーラム通信 2012年3月 臨時号】 2012.3.26 発行
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≪読者の皆様へ―「食品表示一元化検討会」意見交換会 傍聴記≫

3月23日(金)、消費者庁主催「食品表示一元化検討会 中間論点
整理に関する意見交換会」が開かれました。この「中間論点整理」
は消費者庁のホームページ「食品表示一元化検討会情報」のコーナ
ー(http://www.caa.go.jp/foods/index12.html)でご覧戴けます。

当日の意見交換会に先立ち、過去6回にわたり一元化検討会が開催
されてまいりました。
当然ながら業界の関心は極めて高く、小社が日頃から編集委員、
著者としてご指導を戴いている主力食品メーカーの品質保証・食品
表示の責任者、エキスパートの方々も多数参加され、議論の経緯を
注視されていました。

ご存知の通り、第6回検討会(2月21日開催)で事務局(消費者庁)
から提起された「中間論点整理(案)」は下記の通り総論3つ、各論
2つ、合計5つの論点です。

[総論]1.食品表示の目的について
     2.食品表示の考え方について
     3.食品表示の運用範囲について
[各論]4.加工食品の原料原産地表示の拡大について
     5.栄養成分の義務化について

同時に、論点整理(案)に記載のない表示監視体制や是正措置につい
ては検討の対象にしないこと、あくまで現状の仕組みを維持すること
を基本に、食品添加物表示などの各論は議論に加えない旨の発言が事
務局からあり、本検討会の役割範囲が明らかになりました。

業界紙等の報道を見ると本検討会で毎回論議が展開されているような
印象ですが、実のところ何一つ検討は深まっておらず、関係者の期待
に反して並列的な意見の提示に終始し、それらを要領良く事務局がま
とめたものが今回の「論点整理」です。これは検討会を傍聴された方
であれば文句なしにご賛同戴けるものと存じます。

第6回の当日、「事務局の発言は納得できない。」「三法(食品衛生
法、JAS法、健康増進法)の一元化に伴う監視体制は極めて重要な問
題。この体制をきっちりと作るべき。」「そもそも目的の議論がほと
んどなされていない。」「このままでは報告書のイメージが全くつか
めない。」との意見が各委員から相次ぎました。
 
  さて意見交換会の当日です。
 
  ◆「論点整理」に批判続出!
午前10時に開始された交換会は、冒頭に森田消費者庁食品表示課長の
挨拶、同課企画官平山氏の「中間論点整理の概要説明」を皮切りに、
消費者団体、市民団体、事業者団体および個人の23団体(人)を6つの
グループに分け、順次各8分の持ち時間で発表を行い、その後グループ
ごとに約15分間の意見交換(司会:一元化検討会座長 池戸重信氏)
を行う形式で進められました。
 
意見発表の中で、市民団体、消費者団体さらに事業者団体からも「事
務局から提示された「中間論点整理」は単なる意見の羅列で、これに
どう対応したらよいか戸惑っている。」「「論点整理」は全く論点整
理になっていない。」「スケジュール消化を前提に検討会の議論が進
められていることに疑問を感ずる。このまま一元化されると、これま
で以上に事業者は混乱する。」との声が次々と上がりました。
その中で最も強く印象に残ったのは、事業者団体の責任者の方々の以
下の裂帛の言葉です。
 
「これまで検討会を傍聴してきたが、各委員がそれぞれの立場から主
義主張を述べているだけで、たとえば原料原産地表示の拡大に伴い産
業界や経済、消費者の生活にどのような影響が起こり得るのか具体的
にケーススタディを行ったうえで議論すべきだが、そうした検討が全
くなされていない。私は、検討会の議論に失望している!」

「一元化検討会は検討会ではなく実行委員会になっている。これは恐
るべきことだ。一元化すればすべての問題が解決するかのように考え
るのは共同幻想だ。先ず一元化ありきではなく、表示とは何かという
原点の議論を尽くすべき。食品製造のことを十分知らない人たちが
観念的に議論している。」
 
上記に関連し、「現行制度下での表示の現状を十分検証したうえで、
景表法、計量法など三法以外の食品に関係する法律も含めて体系的に
整理し、新たな法律のあり方を検討すべきである。それが検討会では
全くなされていない。さらに、法の監視・執行体制と一体で議論され
るべき。」との発言が或る事業者団体の責任者からなされ、この意見
に同調する声がいくつかの市民団体、消費者団体から上がりました。
 
原料原産地表示についてはいくつかの消費者団体から「JAS法から切り
離して表示を拡大し、すべての加工食品で義務化すべき」との主張と
ともに、「遺伝子組み換え食品の表示の問題が論点整理からはずされ
ていることはおかしい。多くの食品の原材料としてGMOがかなり使用さ
れているが、現実には遺伝子組み換え食品かどうか判断できる表示制
度にはなっていない。なぜ論点から除外したのか、検討会か消費者庁
に伺いたい。」との問いかけがなされました。これに対し、消費者庁
(増田課長)から「今までは総論的な見地から議論してきた。遺伝子
組み換え表示は現行の制度があり、検討会の議論には含めない方針」
との回答がありました。
 
◆誰のための一元化?

これまでご紹介してきた発言以外にも様々な問題提起、切実な要望
が寄せられました。1日をかけた意見発表を聞いて正直に思ったこと
は、「ここでの指摘、要望が本当に今後の検討会の議論に反映される
のか?」という疑問です。

発表者のほとんどは「中間論点整理」、検討会の進め方に批判的で
した。しかし、「一元化で様々な課題を解決できると考えている。」
との当日の平山担当官(消費者庁)の型通りの回答を聞き、さらに
23件の発表に対し前記の増田氏、平山氏の発言以外、何ら検討会の
メンバーおよび事務局から質問が出されなかったことを考えると、
不安に感じるのは決して私だけではないと確信します。
 
食品表示については、ご承知の通り消費者庁の誕生前に実に45回に
わたって共同会議で議論がなされ、その後も一昨年3月の「原料原産
地表示に関する意見交換会」、同年12月から実施された「栄養成分
表示検討会」、さらに昨年の消費者委員会「原料原産地表示拡大
の進め方に関する調査会」を含め、極めて多大な労力と期間をかけ
て取り組まれてきました。

当然ながら、それらを集約し課題を整理して、明確な問題意識を
もって集中審議する姿を私は一元化検討会に期待していました。
しかし実情を見る限り、検討会は上記の成果を何ら引き継いでおら
ず、一度として集中的な議論がなされておりません。消費者庁はあ
たかも“糊とハサミ”で三法の表示部分を切り貼りし新法を作ろう
としているかのように見え、一体誰のための一元化なのか疑いを強
くした次第です。

スケジュール消化の印象が強い裏側にはあらかじめ消費者庁のシナ
リオが存在するのではないかと感じています。「消費者庁の最大の
狙いは原料原産地表示の拡大ではないか」と、検討会の或る委員は
非公式に私に語ってくれました。

「中間論点整理」に関する政府のパブリックコメントは現在でも受
付中です。4月4日までと聞いています。本質的な問題を数多く孕み
ながらとりまとめが急がれている一元化の動きにさらなる関心と批
判を寄せて戴きたく、業界の皆様へのお願いとともに本報告を締め
くくりたいと存じます。
               代表取締役社長  元山 裕孝
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