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【サイエンスフォーラム通信   2012年5月号】    2012.05.08 発行
現場の問題解決のための実践図書・セミナー
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います。                                   NO.557
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≪読者の皆様へ――言葉の軽さについて:一元化検討会後日談≫

 今や旧聞に属しますが、作家で元新聞記者の辺見 庸氏が『瓦礫の
中から言葉を』(NHK出版新書、2012年1月刊)という著書で次のよう
に語っています。

「人びとは本当は、もう一段、深い言葉を欲しているのではないかと、
最近、とても強く感じています。被災した人びとが待ち望んでいるの
は、第一に必要な生活条件、原状の回復でしょう。と同時に、事態の
深みに迫ろうとする得心のいく、胸の底にとどく、とどけようとする
言葉でもあるような気がします。」

「3.11以降、都市機能、社会機能といったインフラやハードウェアだ
けでなく、言葉もまた、とても深刻な機能不全におちいりました。
(中略)
地震と津波による破壊の規模、奪われた人命の多さ、深く巨大な悲しみ、
原発炉心溶融の驚愕と恐怖、不安というものに対して、それらに見合う
言葉、それらを照らし出す言葉が、あまりにも少なすぎました。」

「けれども茫然自失している本当の理由は、それだけではありません。
風景の異様さ、破壊の大きさそのものにあるのではない。あっけにと
られているわけは、3.11の破壊、ダイナミズムを表す言葉を、だれも
もっていなかったということだと思う。」(本書p.21〜26)

 辺見氏はまた、同書の中で以下の疑問を呈しています。

「皆が問う問いをわれも問い、聞く前からできている記事のパターン
に合う、手垢のついた言葉のみをひろって、他は聞かなかったことに
するような言葉のやりとりの、はてさて、どこにやりがいがあるので
しょうか。

 それは裏取引がすでにできている、会社側と労働組合の交渉みたいな
ものです。」「ヒリヒリするような、心臓が飛びでてきそうなほども
のすごい言葉と言葉の真剣勝負をなぜ社会は怖れるのでしょうか。
(中略)
 われわれはほんとうのところは、言葉に真に切実な関心をもってい
ないのではないでしょうか。」(本書p.159〜160)

 長々と引用した理由は、ここで3.11を語りたい訳ではなく、私が
食品表示一元化検討会の傍聴を通して痛感した行政(消費者庁)の言
葉の奇妙な軽さをお伝えしたいためです。
 
 巨大な現実に正面から対峙し、うちのめされ、失語症に陥りながら
必死に言葉を紡ぎだし対象に迫ろうとする辺見氏の姿勢とは対照的に、
拠って立つ足場も不明瞭で、食品表示に関する膨大な議論の経緯を引
き継ごうともせず、あえて白紙の状態から三法の表示部分を切り貼り
し新法を作ろうとしているかに見える担当官が発する言葉が、何と空
虚で軽く聞こえることか・・・。

 彼らの音声をそのままお伝えできないことが残念です。この軽さは、
一部の人びとから“財務省の操り人形”と揶揄され「不退転の決意」
「政治生命を賭けて」「命を懸けて」のセリフを日々連発し失笑を買
っている、わが国N首相の言葉のむなしさにもつながっています。
 
 第7回一元化検討会(4月18日開催)の席上配布された「論点につい
ての検討方向(たたき台)」を一読して、私は改めて強い違和感を抱き
ました。ご覧になった方も多いかと存じます。そこに、これまで一度も
検討会で議論されていない次の言葉が唐突に挿入されています。
 
「アレルギー表示等は、食品の安全性に関わる情報であることから、
それ以外の商品選択のための情報に比べ、消費者が確実に理解し、実際
の商品選択の際に役立てられるようにする必要性が高いと考えられる。」
「遺伝子組換え食品の表示等についても、考え方を整理することが必要
ではないか。」(たたき台p.1〜3)

 実はアレルギー表示も遺伝子組換え食品表示も、第6回検討会で事務局
(消費者庁 増田課長)から「これらの各論は本検討会の議論には含め
ない」ことが明言されたばかりです。その記憶を完全に消去したかのご
とき作意です。
 
 原料原産地表示についても、この「たたき台」で意図的な置き換えが
なされています。ご承知の通り昨年の消費者委員会「原料原産地表示拡
大の進め方に関する調査会」および本年3月の「意見交換会」、さらに
本検討会で再三にわたり「原料原産地表示の拡大を消費者は本当に求め
ているのか?」「Codexも加工食品の原料原産地表示については“議論
する必要性が認められない”として審議を中止している。」「生鮮品
とすべての加工食品を現時点で一律に義務化することは全く時期尚早。
その必要性があるとも思えない。」との意見が相次いだにもかかわら
ず、「たたき台」の中で下記の文章がさりげなく挿入されています。
 
 「これまでの拡大の経緯、消費者基本計画において示されている方向
性等を踏まえれば、これまでの「品質の差異」の観点にとどまらず、原
料の原産地に関する誤認を防止し、消費者の合理的な商品選択の機会を
確保する観点から義務付けることとし、原料の品質が加工食品の品質に
与える影響が明らかでなくても、消費者が当該加工食品の加工地(=原
産地(国内))と原料の原産地が同じであると誤認しやすい商品につい
ては義務付けの対象とすることとしてはどうか。」(たたき台p.6)
 
 読者の皆様のご感想は如何ですか。“やらせ”とも思える一部の消費
者団体(FOOCOM.NETで松永和紀氏が指摘している通り、発言者は違って
も団体の根っこは同じ)の主張に依拠した、あたかもこれまでの反対意
見が霧消したかのような議論のすり替えを感じるのは、決して私一人で
はないと思います。
 
 この点に関し、或る大手食品メーカーの品質保証担当の方から「検討
会でこの資料(たたき台)を配布する前に政務三役の手が加えられてい
る。」との指摘を非公式に受けました。
 
 また、4月4日に締め切られたパブリックコメントのまとめ方に関し、
別の行政経験者の方は「初めの頃は、どんな厳しい意見、コメントが
寄せられるかと担当官は皆ビクビクしていたようだが、自分たちの答え
方にどこからもクレームが出ないので、最近は「あまりまともに答える
必要はないのでは」との雰囲気が役所の一部に感じられる。」との内情
を私に明かしてくれました。
 
 行政から見て、私たちは容易に操作できるマスであり捨象された統計
指標の対象に過ぎないのでしょうか。関係者の声を黙殺し簡単に前言を
覆せる所以はどこにあるのでしょう。彼我の関係性の希薄さでしょうか
・・・。
 
 担当官の言葉の軽さの背景に今後の食品表示行政の危うさを感じて
います。  マスコミはもとより、業界紙もこれらの動きをほとんどまと
もに報道していません。本検討会の行方に引き続き注目し、批判の声を
発して戴くことを願って、本報告を締めくくりたいと存じます。
                    
                  代表取締役社長  元山裕孝
■  INDEX ───────────────────────────
「「 「「「「 ★ 5〜6月開催のセミナーのご案内 ★ 」」」」」 
  ◆ これで解決!カビクレーム
  ◆ 小売流通・食品メーカーに聞く
    放射性セシウム規制値への対応策と運用実態
  ◆ 放射性物質測定法とリスク管理研究会
  ◆[第2回]芽胞菌対策研究会
  ◆ 商品設計における異味・異臭問題の予防策

   「「「「「「「★ 微生物に関する図書のご案内 ★「「「「「「「

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    5〜6月開催のセミナーのご案内  
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★ホームページからのお申し込みは定価の【5%引】です★
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▼ これで解決!カビクレーム
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【開催日】 2012年5月16日(水)10:00 〜 16:50 および
         5月17日(木) 9:30 〜 15:30
 ※お願い:2日間のセミナーの為1日のみのお申し込みは出来ません。
【会  場】飯田橋レインボービル1F C,D会議室
【受講料】副教材「食品・施設カビ対策ガイドブック」
(日本食品衛生協会 税込3,465円)を使用します。
お持ちの方とご購入の方 で料金が変わりますのでご注意くださいませ。
副教材をお持ちの方は 当日ご持参下さい。

● 副教材をお持ちでない方
   64,365円(webからのお申し込みは 61,320円)
● 副教材をお持ちの方
    60,900円(webからのお申し込みは 57,855円) 
【定  員】30名
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⇒ 詳細・お申込はこちらから↓
http://www.science-forum.co.jp/seminar/91210.htm
⇒パンフレットのダウンロードはこちらから↓
http://www.science-forum.co.jp/seminar/print/2012/91210.pdf
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カビ同定のノウハウ、クレーム再発防止のシステム作りを学び、
受講後には受講証明書を発行致します。

★プログラム
5月16日
 1.カビは安全か?
 2.じっくり観察!カビ同定ワークショップ
5月17日
 3.現場対応:カビ汚染の原因究明・対策のノウハウ
 講義:原因究明・対策の必須知識と問題解決スキーム
 グループ演習1
  クレーム発生時の情報収集から製造現場の調査までのステップ
 グループ演習2
  原因究明から再発防止への実践的取り組み
 まとめと課題
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▼ 小売流通・食品メーカーに聞く
     放射性セシウム規制値への対応策と運用実態
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【開催日】2012年5月29日(火)10:00 〜 16:30          
【会  場】飯田橋レインボービル1F C,D会議室
【受講料】定価39,900円(税込)→ web価格 37,905円(税込)
【定  員】60名
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http://www.science-forum.co.jp/seminar/91211.htm
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★プログラム
1. 新規制値への対応策をめぐる今後の課題
2. 食品中の放射性セシウム検査の実際と問題点
3. 小売流通・食品メーカーに聞く
     主力企業の新規制値への対応策と運用実態
 * 日本生協連の取り組み
 * お客様の安心に応えるために
  ─ 小売業食品品質管理担当の立場から((株)イトーヨーカ堂)
 * 明治の取り組み
 * ネスレの取り組み
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▼ 放射性物質測定法とリスク管理研究会
─ 放射性セシウムによるリスクを的確に管理するために ─
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【開催日】 2012年6月4日(月)10:00 〜 16:40
【会  場】 飯田橋レインボービル2F 2A会議室
【受講料】 定価39,900円(税込)→ web価格 37,905円(税込)
【定  員】 40名
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⇒ 詳細・お申込はこちらから↓
http://www.science-forum.co.jp/seminar/91212.htm
⇒パンフレットのダウンロードはこちらから↓
http://www.science-forum.co.jp/seminar/print/2012/91212.pdf
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新基準値への対応のための測定法のノウハウ・下限値の考え方・
精度管理・放射性物質モニタリング・トレーサビリティを学ぶ
集中講座です。
● 各講義には20分の質疑応答の時間を設けます。

★ プログラム
1. 放射性物質測定の原理と測定方法の特性
2. 食品中の放射性物質測定の実際と精度管理
3. 放射性物質のモニタリングとトレーサビリティ
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▼ [第2回]芽胞菌対策研究会
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【開催日】 2012年6月15日(金)10:00 〜 16:30
【会  場】 総評会館2F 203会議室
【受講料】 定価39,900円(税込)→ web価格 37,905円(税込)
【定  員】60名
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⇒ 詳細・お申込はこちらから↓
http://www.science-forum.co.jp/seminar/91213.htm
⇒パンフレットのダウンロードはこちらから↓
http://www.science-forum.co.jp/seminar/print/2012/91213.pdf
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芽胞菌について深く知り、効果的対策を見出す集中講座です。
お申し込みの方には予め講師への質問票を送付し、講座で出来る
限りお答え致します。(※質問票の受付の締切は6月15日(金))

★ プログラム
1. 芽胞菌制御のための実践的基礎
 1. 芽胞形成の基礎
  1.1 芽胞菌の系統
  1.2 芽胞の構造と機能
  1.3 芽胞形成と発芽

 2. 顕微鏡観察でわかる芽胞形成と発芽
  2.1 顕微鏡観察の重要性
  2.2 蛍光顕微鏡観察の基礎
  2.3 生細胞と損傷細胞の比較
  2.4 芽胞形成と発芽の評価
  2.5 顕微鏡フォトギャラリー

2. 飲料・液状食品に危害を及ぼす芽胞菌の性状と評価法
  1. 飲料に危害を及ぼす芽胞形成菌の種類と性状
  2. 殺菌管理指標菌による飲料の管理方法
  3. 芽胞形成菌の検出法と耐熱性評価法
  4. ナノサーチ技術による新しい芽胞菌耐熱性評価方法の紹介

3. 缶詰・レトルト食品における芽胞菌の制御
   1. 缶詰・レトルト食品の製造方法と加熱殺菌条件
    2. 缶詰・レトルト食品の加熱殺菌の対象となる有芽胞細菌の
    種類とその性状および耐熱性
    3. 缶詰・レトルト食品の製造用原材料の耐熱性細菌芽胞の検査
        方法とその評価
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▼ 商品設計における異味・異臭問題の予防策
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【開催日】 2012年6月20日(水)10:00 〜 16:00
【会  場】 飯田橋レインボービル「2A会議室」
【受講料】 定価37,800円(税込)→ web価格 35,910円(税込)
【定  員】 40名
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⇒ 詳細・お申込はこちらから↓
http://www.science-forum.co.jp/seminar/91214.htm
⇒パンフレットのダウンロードはこちらから↓
http://www.science-forum.co.jp/seminar/print/2012/91217.pdf
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目での確認や判断がしにくく、しかも規制のない異味・異臭の
予防に関し、商品設計(包装商品化)において検討する幅広い
内容を対象に、危険予知という観点から技術的課題の掘り起こし、
保存実験と衝撃の関係、人が関与する課題の解決等について研修
します

★ プログラム
 1. 異味・異臭発生の総合的知見
 2. 異味・異臭発生低減化に向けた技術的課題
 3. 包装商品物流と異味・異臭対策
   ─ 包装商品の保存実験と衝撃処理のノウハウ
 4. 人が関与する異味・異臭発生の課題と解決策 
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★ 微生物に関する図書のご案内 ★
■ 既刊
食品微生物の簡便迅速測定法はここまで変わった!
http://www.science-forum.co.jp/books/0279.htm

微生物胞子 -制御と対策-
http://www.science-forum.co.jp/books/0317.htm
■ 復刻本
食品微生物検査の簡易化、自動化、迅速化
http://www.science-forum.co.jp/podbooks/0067.htm

食品ヘの予測微生物学の適用
http://www.science-forum.co.jp/podbooks/0221.htm

食品危害微生物ハンドブック
http://www.science-forum.co.jp/podbooks/0232.htm

微生物汚染事例・現場検査法Q&A集
http://www.science-forum.co.jp/podbooks/0283.htm

現場必携 微生物殺菌実用データ集
http://www.science-forum.co.jp/podbooks/0294.htm

微生物試験のデータ考察力トレーニングブック
http://www.science-forum.co.jp/podbooks/0304.htm

※復刻本のご注文に係るお願いをご一読くださいませ。→↓
http://www.science-forum.co.jp/podbooks/index.htm
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各お手続きは下記URLよりお願い致します。
その際はお客様no.もお知らせいただきますと幸甚です。
(このメールへの返信には、配信停止・ご返答が出来ませんので
ご注意ください)
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