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【サイエンスフォーラム通信   2012年08月号】  2012.08.06  発行
現場の問題解決のための実践図書・セミナー
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≪読者の皆様へ――「表示一元化」の行方≫ 

8月3日(金)全国都市会館「大ホール」、大広間風の華やいだように
見える雰囲気の中第12回食品表示一元化検討会が開かれ、ついに「報
告書」の最終案が提示されました。

思い起こせば昨年9月30日(金)、後藤 斎 内閣府副大臣、福嶋浩彦
消費者庁長官同席の下、200名を越える傍聴者に注視されながら“晴
れ”のスタートを切った本検討会。
第1回当日、「来年の初夏を目途に一定の議論の集約をお願いし、
当然、法律制度の大きな改正につながっていくものになると思います。
その点については、政府の中、また国会の中でも十分議論ができるよ
うに、私ども、全力を尽くして対応していくことをお約束申しあげま
す。」との後藤副大臣の挨拶、「個々の論点というのはこれから大変
な議論になるなというふうに思います。ただ、その議論をきちっとや
っていかなければ、いい本当の食品表示が生まれないと思っておりま
す。」との福嶋長官の感想も今やなつかしく、本検討会に託された
期待の大きさを物語るシーンの一コマです。

報告書の最終案全文は下記のURLでご覧いただけます。
  http://www.caa.go.jp/foods/pdf/120803shiryo1.pdf

さらに、当日は上記報告書に「加工食品の原料原産地表示に関する
検討会における議論の経緯」と題する資料が添付されています。
添付資料は下記サイトでご覧ください。
  http://www.caa.go.jp/foods/pdf/120803shiryo2.pdf

最終案に先立ち第11回会合に提出された「報告書(案)」を見て、
検討会の委員はもとより多くの関係者が唖然としました。これまで
多くの委員の猛反対の中、「方向感」なる奇妙な提案を含め、事務
局が“手を替え品を替え”執拗に表示拡大を求めてきた論点4「加工
食品の原料原産地表示」の項目がすっぱりと削除されているのです。

報告書(案)を見ると、最後に数行、「本検討会では、これまでの
「品質の差異」の観点にとどまらず、新たな観点から原料原産地表
示の義務付けの根拠とすることについて議論を進めたが、合意には
至らなかった。当該事項については、食品表示の一元化の機会に検
討すべき項目とは別の事項として位置付けることが適当である。」
と、これまでの10回の議論が嘘のようにサラリと記載されていまし
た。この文章は最終案も全く同じです。

当然ながら前回の検討会で、「あれほど多くの時間を費やして議論
した論点がなぜ合意に至らなかったのか、意見交換会や中間論点整
理でも最も意見を求めた部分である。その後事務局から新しいメル
クマールが示されたにもかかわらず合意に至らなかったというのは、
これは難しい問題であるということ。それをしっかりと記録に残す
必要がある、」との指摘を初め、各委員から批判が集中しました。
これに応えるため、第12回の当日、事務局が添付資料として前記の
「議論の経緯」を配布した次第です。

最終案とは言え第12回検討会に提出された報告書は前回提出された
報告書(案)の部分的な字句の修正にとどまり、目次の基本構成は
そのままで、先に委員から提起された下記の指摘にはほとんど言及
していません。

● 効果的な執行体制について議論されていない。報告書(案)
   が新法の監視・執行体制に全く触れていないことはおかしい。
   保健所の臨検収去の権限が無くなってしまうのではないかと
   心配している。

● 酒税法がなぜ今回は入らないのかを報告書に書いてほしい。
   三法にする理由を明確にしてもらいたい。

● 3つの法律の食品表示にかかわる部分を抜き出して、これら
   を統合することを目指すことが検討会の目的であれば、作業
   はすべて事務局でできたはず。あえて検討会を開催する理由
   はなかったのではないか。
 
さて、第12回の当日です。詰めかけた傍聴者の表情を見ると、
会議の初めこそ緊張があり内心の期待を感じさせましたが、
「これが最終日の議論なのか?」と疑うような、最終案の細かい
文章表現上の議論が延々と続くことに、ほとんどの人が下を向き
首をひねる傍聴者も出始めて、次第に失望感が広がりました。
「これではどうしようもない!」との声もささやかれました。
悲しいことに、この光景を事務局も委員も誰一人気づいておらず、
この乖離が本検討会の実体を何よりも物語っているように思いま
した。
 
傍聴を通して感じることは、これまでの議論では何一つ決めら
れず、方向性を何ら見出していないのではないかということで
す。昨年の検討会のスタート時に、数人の委員から「10回の議
論で何がどこまでできるかというのは大変疑問」「10回ではと
ても間に合わない。」「JAS法、食衛法、健康増進法等には、
それぞれ個別の目的があるので、議論を急ぎ過ぎて木に竹を
接いだような一元化ということにはならないようにしたいし、
すべきではない」との指摘があり、今さらながら本検討会に
根本的な無理があったことを痛感しています。

結局のところ本検討会は、上記の無理を承知のうえで国民への
アピールを狙った消費者庁のパフォーマンスではなかったでし
ょうか。第12回の席上、「これまでの議論が白紙に戻り一元化
の作業が進められないことを祈っています。」との或る委員の
発言が、なぜか脳裏に鮮明に残っています。

本件に関連し8月2日、当社では「第4回 食品の化学物質対策
研究会」に検討会委員の森田満樹氏をお招きし、「食品表示の
一元化で何が変わるか?」の議論を致しました。

席上、森田氏から発せられた以下の言葉が非常に印象的でした。

「何も決められなかったではないかといろんなところで責めら
れ、自分なりにつらい思いをしていますが、食品表示の全体を
見渡す議論は今回が初めてで、表示の優先順位を導入したこと
は画期的なことだと私は思います。消費者の知る権利のため表
示事項をとにかく増やしてほしいという一部の消費者団体の声
に、実行可能性やコストの視点を持ち出したことの意義も大き
いと思っています。このことをどこも報道してくれないのは非
常に残念ですが、これらの新しい判断基準が今後の表示一元化
の具体的作業の段階で効いてくることを期待しています。」

検討会での議論の成果および今後の政策スケジュールに関し、
森田氏は「私見」と断ったうえで下記の通り述べられました。

1. 年内に消費者庁が法案作成作業を行い、「新食品表示法」
   (仮称)が平成25年度に施行される。
2. 義務表示拡大に関しては食品の安全性確保に関する情報
    を優先し、安全性確保に関連しないものは慎重に対処さ
    れる。
3. 新法施行5年後に、加工食品に栄養表示が義務付けられ
    る。それ以外は、義務表示項目のルールに当面変化はな
    く、監視執行体制も当分の間変わらない。「何が変わる
    か」と問われれば、現状では「あまり変わらない」と答
    えざるをえない。

まさに“大山鳴動鼠一匹”の本検討会ですが、久々に「委員会」
「検討会」「調査会」が演じる行政上の役割を目撃させて戴い
たこと、多くの批判を承知のうえで本来のあるべき方向を目指し
懸命に発言する委員の姿に接することが出来たことは、私にとっ
て非常に得難い経験でした。様々な問題を露呈しつつも、事実上、
加工食品の原料原産地表示拡大を阻止した委員各位の奮闘に改め
て敬意を表する次第です。

私は再び商品企画の日常に戻ります。猛暑の中、皆様のご健勝
とご自愛をお祈り致しております。

                       代表取締役社長  元山 裕孝

■  INDEX ───────────────────────────
┣【1】8〜9月開催のセミナーのご案内
┃      > [第6回]食品安全のための工場点検ワークショップ
┃      > 食品原材料の安全確保策
┃      > 清涼飲料水の微生物検査スキルアップ講座
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★ホームページからのお申し込みは定価の【5%引】です★
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▼ [第6回]食品安全のための工場点検ワークショップ
     〜改善をより確実にするための工場点検のノウハウ〜
───────────────────────────────
【開催日】2012年8月30日(木)10:00〜17:00および
           8月31日(金) 9:30〜17:00 2日間のセミナーです。
【会  場】飯田橋レインボービル2F 中会議室
【受講料】定価 63,000円(税込)→ web価格 59,850円(税込)
【定  員】40名
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⇒ 詳細・お申し込みはこちらから↓
http://www.science-forum.co.jp/seminar/91218.htm
⇒ パンフレットのダウンロードはこちらから↓
http://www.science-forum.co.jp/seminar/print/2012/91218.pdf

前回の受講者から頂いたアンケートに基づき、2日目の
「工場点検結果の分析・評価と報告」の時間を増やしました。
また、受講時にお配りする質問票に「日常の工場点検で疑問に
思われている点」をご記入いただき、全質問に対する回答集を
後日受講者の皆様へ郵送致します。現場に即したノウハウ集と
してご活用下さい。

■プログラム
*8月30日(木)
1. 求められる点検者の眼〜工場点検の獲得目標と点検手法〜
2. 工場点検の実際:委託先の点検を中心に
3. 海外工場の点検をめぐる必須ポイント
4. 金属探知機の管理のポイント

*8月31日(金)
5. 工場点検ワークショップ
 5.1  ワークショップオリエンテーション
 5.2  演習1: 工場点検のための準備
 5.3  講義:  工場点検時の問題点の見抜き方とその評価
 5.4  演習2: 問題点の要因分析〜なぜなぜ分析〜
 5.5  演習3: 工場点検結果の分析・評価と報告
6. 演習総括:工場点検ワークショップを実際の現場で活かすには

詳しい内容はこちらからご覧頂けます→↓
http://www.science-forum.co.jp/seminar/91218.htm

★お願い
本講座は食品事業者を対象とするワークショップのため、誠に恐れ入り
ますが、検査及びサニタリー業界の方のお申し込みはお受けできません。
何卒ご了承のほどお願い申し上げます。

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▼ 食品原材料の安全確保策
 〜主力企業の品質責任者に聞く受入基準と安全確保の実際〜
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【開催日】2012年9月6日(木)10:00-16:00
【会  場】飯田橋レインボービル2F 中会議室
【受講料】定価 37,800円(税込)→ web価格 35,910円(税込)
【定  員】60名
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
◆ 食品原材料の安全確保策の実態に関し、規格基準・検査方法・
   検証体制を総点検し、実務課題を提示します。
◆ 行政経験者、流通・食品メーカー品質保証責任者である講師陣から
   現状の取り組みをご紹介し、今後の方策を討議します。

⇒ 詳細・お申し込みはこちらから↓
http://www.science-forum.co.jp/seminar/91219.htm
⇒ パンフレットのダウンロードはこちらから↓
http://www.science-forum.co.jp/seminar/print/2012/91219.pdf

■プログラム
1. 海外の日本向け食品工場における食品原材料の安全確保
2. 検疫所での輸入食品の安全確保体制
3. 食品メーカーにおける食品原材料の受け入れ基準と安全確保
4. 流通における食品の品質管理と安全確保策
───────────────────────────────
▼ 清涼飲料水の微生物検査スキルアップ講座
 【迅速的確な製品・工程微生物検査から原因究明へ】
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【開催日】2012年9月28日(金)10:00-16:30
【会  場】飯田橋レインボ〜〜ービル2F 中会議室
【受講料】定価 39,900円(税込)→ web価格 37,905円(税込)
【定  員】40名
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◆ 清涼飲料水で汚染リスクの高い微生物にフォーカスし、
   耐熱性菌、異物識別を軸にデータ考察力を鍛えます
◆ 「無駄な検査をしない」ための適切な検査設計のあり方を
   示し、原因究明・再発防止への取り組みを紹介します。 
   
⇒ 詳細・お申し込みはこちらから↓
http://www.science-forum.co.jp/seminar/91220.htm
⇒ パンフレットのダウンロードはこちらから↓
http://www.science-forum.co.jp/seminar/print/2012/91220.pdf

■プログラム
1. 【現場報告】
    お客様から信頼される食品微生物自主検査を求めて
  1.1  微生物検査と試験 ─ 古典的手法〜迅速試験法
  1.2  流通の立場から
2. 微生物検査ワークショップ 〜 解答&解説
【総合質疑】
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【2】復刻本のセールスランキング  
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小社では絶版・品切れになった書籍も復刻本としてお取り扱いして
おります。
4月から7月までのセールスランキング(上位10位売上順)を
ご紹介します。
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1. 0294P 現場必携 微生物殺菌実用データ集
      http://www.science-forum.co.jp/podbooks/0294.htm

2. 0283P 微生物汚染事例・現場検査法Q&A集
      http://www.science-forum.co.jp/podbooks/0283.htm

3. 0257P 洗浄殺菌の科学と技術
      http://www.science-forum.co.jp/podbooks/0257.htm

4. 0272P 食品工場排水の最適処理ハンドブック
      http://www.science-forum.co.jp/podbooks/0272.htm

5. 0273P 食品への超臨界流体応用ハンドブック
      http://www.science-forum.co.jp/podbooks/0273.htm

6. 0312P カット野菜品質・衛生管理ハンドブック
      http://www.science-forum.co.jp/podbooks/0312.htm

7. 0225P 生物・環境産業のための非熱プロセス事典
      http://www.science-forum.co.jp/podbooks/0225.htm

8. 0292P 食感創造ハンドブック
      http://www.science-forum.co.jp/podbooks/0292.htm

9. 0260P 食品の低温流通ハンドブック
     http://www.science-forum.co.jp/podbooks/0260.htm

10. 0262P食品の光劣化防止技術
      http://www.science-forum.co.jp/podbooks/0262.htm

◆復刻本のご注文に係るご注意がございます。事前のご一読を
お願い致します。→↓
http://www.science-forum.co.jp/podbooks/index.htm

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