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【サイエンスフォーラム通信   2014年 1月号】   2014.01.06 発行
現場の問題解決のための実践図書・セミナー
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≪消費者庁の提案に委員が猛反対!
          ――食品表示部会 加工食品調査会(第1回)報告≫
 
新年明けましておめでとうございます。年末に発生した冷凍食品への
農薬混入事件の一日も早い解決を祈念しております。

さて、何やら軍靴の音が聞こえる「特定秘密保護法」が成立した2013
年の掉尾を飾り、暮れの12月25日(水)、注目の食品表示部会加工食
品調査会の第1回会合が開かれました。
当日の配布資料は下記URLでご覧戴けます。
http://www.cao.go.jp/consumer/kabusoshiki/syokuhinhyouji/kakou/
001/shiryou/index.html


第1回の議題は
(1)表示責任を有する者等の整理について、
(2)食品表示基準における加工

食品の表示方法等の作成方針について、の2題。ちなみに次回以降、
下記の検討課題が案として消費者庁から提示されました。

(3)加工食品関係のJAS法の個別品質表示基準の整理・統合について
(4)インストア販売等に係る表示事項の取扱いについての検討
(5)レイアウト、文字の大きさの検討
(6)アレルギー表示(代替表記等の見直し、表示方法の整理)
(7)加工食品関係の用語の統一

このうち、(1)〜(6)の課題を「3月くらいまでに検討したい」との発言
が同庁食品表示企画課、平山担当官よりありました。

★消費者庁から「表示責任者」「食品工場等」の用語を新提案

先ず(1)表示責任を有する者等の整理に関し、消費者庁から下記の
新提案がなされました。

1.現行のJAS法において「表示内容に責任を有する者」として
   「製造者」「加工者」「販売者」「輸入者」を表示することと
    なっているが、欄名に新たに「表示責任者」と記載すること
    を可能とする。
  
[提案の理由]
  事業者は自分が「製造者」「加工者」のいずれに該当するのか
  を商品ごとに判断することが必要になるが、判断のためのコスト
  は最終的には商品の価格に影響を及ぼす。一方、消費者にとって
  は、表示の内容に責任をもつ者が明らかになることが重要である。
  「販売者」や「製造者」に限定せずに表示責任者を規定すること
  により、様々な流通実態に対応することが可能になる。

2.現行の食品衛生法では、最終的に衛生上のリスクが生じる製造
    や加工を行う場所を表示させることとしている。その必要性は
    食品表示法においても変わらないが、食品表示基準においては、
    この場所を表すのに「食品工場等」の用語を使用する。
  
[提案の理由]
  現行と同様に、この場所に係る者を表すのに「製造者」
  「加工者」という用語を使用すると、一つの基準の中で、表示
  責任者たる「製造者」「加工者」という用語との区別がつかな
  くなるため。

平山担当官の上記の説明が終了するや否や、立石委員(JA全農)の
糾弾発言が勢いよく始まりました。

●「判断のためのコストがかかる。このコストを消費者が負担する
   ことになるので、新たに表示責任者と記載することを可能にす
   る」との説明がなされたが、消費者庁はいったいどこを見てい
   るんだと言いたい。


● もともと「加工者」と「製造者」の概念があいまいだから事業
   者は苦しんでいる。判断のコストが問題になるのは、あなた方
   (消費者庁)がこれをはっきりと決めていないからだ。今まで
   のものをそのままにしておいて、よく練れていない、実態を
   よく見ていない、現場を知らない、こんな陳腐な中身で屋上屋
   を重ねるような「表示責任者」という提案をするなんて、いい
   加減にしてもらいたい。
 
● いま決めなければならないのは、この10年間放っておかれた
   食品衛生法とJAS法の違いからくる「加工者」と「製造者」の
   概念をきちんとすることだ。

迫りくるタイムスケジュールを背景にJAS法にもとづき食品表示
基準の具体化を急ぐ消費者庁のスタンスと、これを機会に食品
衛生法をベースとして本質的な議論を求める立石委員の意見との
すれ違いは甚だしく、第1回調査会の冒頭から紛糾しました。

これを受け、鬼武委員(日本生協連)から「このままではこの
調査会での審議はうまくいかない。いきなり表示責任者という
個別の議論に入るのではなく、今後の検討課題に関する全体の
枠組みのコンセンサスを十分図った上で、それぞれの議論の
テーマを時間軸で示すことが必要。次回の調査会で消費者庁か
らこれを示して戴きたい。」との提案がなされ、消費者庁がこ
れを了解しました。
 
実は、鬼武委員から予め調査会の進め方に関する丁寧なコメン
トペーパーが「参考資料1」として配布されているにもかかわ
らず、部会のいつもの例に漏れずその議論が全くなされないま

ま、形だけ会議を消化しようとする印象を受けました。

同時に、この調査会は消費者委員会に所属しているにもかか
わらず、事務局(消費者委員会)からの発言が全くなされない
ことに不思議な思いを抱きました。
 
「表示責任者」の提案に対しては、「この言葉は害はあって
も何のメリットもない。これ以上、制度をややこしくして欲
しくない。」との板倉委員(オブザーバー;消費生活アナリス
ト)の発言を始め、ほとんどの委員から「論点の理解が難しい」
「一本化なら分かるが、加工者、製造者など従来の4つの表記に
プラスされ5つになるのではさらに複雑になる。」「表示責任者
の言葉の意味が全く分からない。海外にもこうした言葉はなく、
日本独自のルールは作るべきではない。」との声が相次ぎ、
「表示責任者の言葉は使わない方がよい」との意見で占められ
ました。


これは、消費者庁からのもう一つの提案である「食品工場等」
の用語に関しても同様で、「大変ユニークな提案だが、非常に
分かりにくく、対応する英語もない。“エトセトラ”と書くん
ですか?」との鬼武委員の発言に他の委員の失笑が広がりまし
た。

★ 表示基準の作成方針および加工食品の論点整理をめぐって

次の議題である「食品表示基準の作成方針」に関し、11月6日
の第26回食品表示部会での公表資料にもとづき下記5点が消費
者庁から改めて方針案として提示され、「本日は先ず大まかな
捉え方を議論して戴き、個別の議論は次回以降に」との説明が
ありました。

[策定方針(案)]
1.原則として、表示義務の対象範囲(食品、事業者等)に
    ついては変更しない。
2.基準は、食品及び事業者の分類に従って整序し、分かり

    やすい階層構造とする。
3.2の区分ごとに、食品の性質等に照らし、できる限り共通
    ルールにまとめる。
4.現行の栄養表示基準を、実行可能性の観点から義務化に
    ふさわしい内容に見直す
5.安全性に関する事項に係るルールを、より分かりやすい

    ように見直す

さらに「食品表示基準骨格イメージ(案)」「統合の方針イ
メージ」が説明された後、議論に入りました。 トップバッ
ターは、再び立石委員です。

● 策定方針で消費者庁が「表示義務の対象範囲については
   変更しない。」と書き切っていることが最大の問題だ。
   今回の法律は、消費者基本計画にもとづいて消費者の商品
   選択に資する必要な情報を提供し消費者の「知る権利」に
   応えていく上で、それにそぐわない過去からのしがらみ
   を断ち切る絶好の機会。ここで「変更しない」と言い切
   っているのはとんでもないことだ。このことを消費者庁
   はどう考えているのか。
 
これに対し、消費者庁から「ご指摘の点は(一元化検討会で)
積み残しのあった議論のことだと思うが、この点は表示基準の
統合のメドが立った時点、恐らく来年(2014年)夏以降になる
と思うが、準備のできたものから議論に入っていきたい。
その上で随時コンセンサスを図りながら食品表示法が徐々に
充実していくものと考えている。」との回答がありました。

その後、池戸委員(宮城県産業技術総合センター)から議論
の進め方に関し周到な提案があり、それを受け宇理須座長
(藤田保健衛生大学)から「積み残した課題、基準の統合に
向けた本調査会での議論の中で新たに生じた課題を現時点で
一度整理し、それぞれの議論のスケジュールを次回消費者庁
から示して戴きたい。」との要請がなされ、消費者庁が了承
しました。
 
その後、「消費者庁が示している“統合の方針イメージ”が
理解できない。JASは横断的事項のあくまで一部であって、

JASが加工食品表示の全体を占めているかのような説明は
間違っている。」との鬼武委員の発言、さらに石川委員
(弁護士)から「横断的事項と個別事項という表現は理解
しずらい。横断的事項は表示の“基本的事項”、個別事項は
“細目”とすべき」との指摘があり、消費者庁から「石川委
員のご指摘の通りです。また今回示した統合のイメージが
分かりにくいとのことなので、次回以降に整理し直します。」
との回答がありました。
 
当日の最後の議題として「加工食品の論点」の議論に入り
ました。詳細は後日公表される議事録をご覧戴ければ幸い
です。冒頭で述べた議論の本質論と表示基準の具体化を急ぐ

消費庁の方針が平行線のまま、徒に時間が経過するばかり
です。
会議の中で「“始めにJAS規格ありき”ではない。消費者
目線での食品表示基準を目指します。」との言葉が消費者

庁から発せられました。言葉自体は同じでも主張の次元は
明らかに異なっており、その隔たりは一向に縮まりません。
「どういう資料を用意したらよいか、こちらも決めかねて
いる。」との本音とも言える消費者庁の発言もありました。
 
会議の終了近く、河野委員(全国消費者団体連絡会)から
発せられた「なかなか大変な作業だなと実感しています。
今後どういう風に作業を進めていくのか、概要が全く見え
てこない。」との言葉が、恐らく大半の委員の正直な気持
ちではないかと感じました。
 
当日午前9時から3時間、ノンストップで議事が展開された
本調査会。質量ともに議論すべき課題があまりにも多く、
とても3月くらいまでに検討が一通りできるとは思えません。
依然として影が薄い事務局(消費者委員会)の存在、時と
して会議の進め方を座長が消費者庁にお伺いを立てる光景
に一抹の疑問を感じつつ、茫然とした思いで会場を後にし
ました。

本調査会の第2回会合は1月23日(木)に開催される予定です。

さて今月の私どものご案内は、製品回収の判断基準とマスコミ
対策を討議する特別研修会「[第2回]食品リコールの問題点と
あるべき姿」を始め、1月〜2月開催の実務講座の数々です。
ご一覧を賜れば幸いです。

           代表取締役社長  元山 裕孝
■  INDEX ───────────────────────────
【1】1月〜2月開催のセミナーのご案内
 ┠■ [第2回]食品リコールの問題点とあるべき姿
 ┠■ チルド包装惣菜の市場と技術
 ┠■ [第9回] 食品安全のための工場点検ワークショップ
 ┠     改善をより確実にするための工場点検ノウハウ
 ┠■ 水の安全を考える
  ┠    〜 製造用水から地下水、飲料水まで 〜
  ┠■ 2014年度 微生物試験法の妥当性確認実務者講習会
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12月〜1月開催のセミナーのご案内
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★ホームページからのお申し込みは定価の【5%引】です★
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 ▼ [第2回] 食品リコールの問題点とあるべき姿
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【開催日】2014年 1月 15日(水)   10:00 〜 16:50
【会  場】飯田橋レインボービル 2F 中会議室
【受講料】定価 39,900円(税込)→ web価格 37,905円(税込)
【定  員】60名
────────────────────────────────
⇒ 詳細・お申し込みはこちらから↓
http://www.science-forum.co.jp/seminar/91401.htm

⇒ パンフレットのダウンロードはこちらから↓
http://www.science-forum.co.jp/seminar/print/2014/91401.pdf
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 ▼ チルド包装惣菜の市場と技術
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【開催日】2014年 1月 21日(火)   10:00 〜 16:35
【会  場】飯田橋レインボービル 1F C+D会議室
【受講料】定価 39,900円(税込)→ web価格 37,905円(税込)
【定  員】60名
───────────────────────────────
⇒ 詳細・お申し込みはこちらから↓
http://www.science-forum.co.jp/seminar/91402.htm
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http://www.science-forum.co.jp/seminar/print/2014/91402.pdf
───────────────────────────────
 ▼ [第9回] 食品安全のための工場点検ワークショップ
───────────────────────────────
【開催日】2014年 2月 4日(火)〜 2月 5日(水)
              ↑ 9:30 〜 17:00   ↑ 9:30 〜 17:00         
【会  場】飯田橋レインボービル 2階 中会議室
【受講料】定価 63,000円(税込)→ web価格 59,850円(税込)
【定  員】40名
──────────────────────────────
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http://www.science-forum.co.jp/seminar/91403.htm

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http://www.science-forum.co.jp/seminar/print/2014/91403.pdf
────────────────────────────────
 ▼ 水の安全を考える 〜 製造用水から地下水、飲料水まで 〜
────────────────────────────────
【開催日】2014年 2月 13日(木)    10:00 〜 16:35
【会  場】飯田橋レインボービル 2F 中会議室
【受講料】定価 39,900円(税込)→ web価格 37,905円(税込)
【定  員】60名
────────────────────────────────
⇒ 詳細・お申し込みはこちらから↓

http://www.science-forum.co.jp/seminar/91404.htm
⇒ パンフレットのダウンロードはこちらから↓
http://www.science-forum.co.jp/seminar/print/2014/91404.pdf
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 ▼ 2014年度 微生物試験法の妥当性確認実務者講習会
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【開催日】2014年 2月 26日(水)   10:00 〜 16:00
【会  場】飯田橋レインボービル 1F C+D会議室
【受講料】定価 37,800円(税込)→ web価格 35,910円(税込)
【定  員】60名
────────────────────────────────
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http://www.science-forum.co.jp/seminar/91405.htm
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