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【サイエンスフォーラム通信 2014年 1月 臨時号】  2014.01.27 発行
現場の問題解決のための実践図書・セミナー
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≪1. 愕然とした異常な議事の進め方――栄養表示に関する調査会
   (第2回)報告≫ 
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 1月22日(水)、満員の傍聴席を背景に食品表示部会 栄養表示に
 関する調査会の第2回会合が開かれました。議題は「栄養表示の
 対象食品及び対象事業者について」です。
 

 当日の配布資料は下記URLでご覧いただけます。
http://www.cao.go.jp/consumer/kabusoshiki/syokuhinhyouji/eiyou/002/shiryou/index.html
 
 調査会の委員6名(委員名簿は下記URL)ですが、オブザーバーも
 同数出席されており、傍聴席のみならず関心の高さを痛感しました。
http://www.cao.go.jp/consumer/kabusoshiki/syokuhinhyouji/meibo/chousakai_meibo1.html


 オブザーバーのうち、立石委員(JA全農)が「前回協議に関する
 質問書」を、鬼武委員(日本生協連)が第2回調査会配布資料に
 関するコメントペーパーを提出されています。

★ 座長による矢継ぎ早の発言者指名に驚く
 
 始めに「栄養表示の対象食品について」に関し消費者庁から

 下記の提案がありました。

1.原則として予め包装された全ての加工食品と添加物について、
    栄養成分の量及び熱量の表示を義務とする。

2.ただし、以下の3点を勘案し、表示義務を免除する食品を
    規定する。
  
  (1)消費者における表示の必要性 (1)事業者における表示の
    実行可能性 (1)国際整合性

3.表示義務を免除する食品の案は以下の通り。

 (1)栄養上、意味のない食品
 (2)加工食品の原材料として使用される食品
 (3)酒類
 (4)小包装食品
 (5)極短期間でレシピが変更される食品

この後、生鮮食品、表示義務が免除された加工食品および添加物
について、任意に栄養表示をする場合の規定の説明が続き、いよ
いよ審議に入りました。

先ず驚いたのは、澁谷座長(豊川保健所長)が委員の席順に矢継ぎ
早に意見を求め、各委員が自由に発言する間を全く与えず、しかも
オブザーバーには一切発言の機会を与えない議事の進め方です。

とにかく、手を挙げて自由に発言できる雰囲気が全くありません。
マンツーマンで座長の指名を受けた6名の委員は次々に即答を求
められ、それらを座長が自ら集約し消費者庁に確認をとる・・・
この連続です。委員同士の意見交換も合意形成も二の次で、ひた
すら何かに追われ結論を急ぐ座長の姿に愕然としました。

★ 委員から抗議の声

たまらず、板倉委員(消費生活アナリスト)から次のような抗議
の声が上がりました。
「今日ここにきて初めて資料を見たばかりで、中身について十分
読みこなせていない。内容を踏まえて発言したいのに、資料を提出
した委員からの説明もなく、それも分からないまま発言を求められ
るのは困ります!」

それでも座長の進め方は全く変わりません。
一方、消費者庁に対しても各委員から「我々が議論できる資料が
先ず必要。根拠になるデータをもっと示して戴きたい」「国際整
合性をきっちり整理した上で適用範囲の考え方をしっかり出して
ほしい」「ザックリとは良いと思うが、個々の提案、表現はもっ
と吟味すべき」等の意見が相次ぎ、さすがに座長も「栄養表示の
方向性については概ね合意するが、もっと検討出来る資料を消費
者庁に求めたい。」とのまとめで最初の議題を終えました。

その後、2つ目の議題「栄養表示の対象事業者について」に移り
ました。詳細は後日公開される議事録をご覧ください。相変わら
ずオブザーバーは“蚊帳の外”で、委員への発言指令が座長から
絶え間なくなされます。意見が集中したのは、栄養表示の適用除
外対象について「業種を問わず正社員及び正社員に準じた労働形
態である従業員の数が5人以下の事業者について表示義務を免除
する。」とした消費者庁の提案です。

「すべての事業者が対象ではあるが、従業員5人以下の規定はペ
ンディングにする。」(座長)との結論になりました。

★ 最後にオブザーバーの反乱

開始から2時間。正午近くに座長が閉会を宣言した瞬間、これ
まで一切発言の機会が与えられなかった立石委員から「ちょっと
待って下さい。私が出した質問書に答えて戴けないのか。」と
抗議の声が上がりました。

すると、マイクを奪うかのように間髪を入れず座長の「どうも
有難うございました。これで議事を終了します。」との大きな声
が重なり、会場は二重の音声が反響する騒然とした雰囲気となり
ました。しかも立石委員の発言が続いているにもかかわらず、
それを拒絶するかの如く座長は勝手に退席する有様。いったい
何のためのオブザーバー(決定権はなくても発言権はある)、
何のための提出資料?・・公式に配布された資料について説明
の機会を与えず、終始黙殺するやり方が許されるのでしょうか。
 
ちなみに6名に及ぶオブザーバー(阿久澤部会長、池戸委員、
宇理須委員、鬼武委員、栗山委員、立石委員)のうち、座長に
発言の機会を与えられたのは鬼武委員のみ。それも唐突な指名で、
ご本人も座長の専横的なやり方に唖然としつつ対応に一瞬戸惑わ
れたような印象でした。


以上の会議の実態が、後日公開される議事録で修正されず正確に
再現されることを祈るばかりです。まさに「百聞は一見に如かず」
の体験でした。

≪2.  一転してオープンで活発な議論 
    ―― 加工食品の表示に関する調査会(第2回)報告≫ 

一夜明けた1月23日(木)、食品表示部会 加工食品の表示に関
する調査会の第2回会合が開催されました。座長の進め方でこれ
ほど違うのかと感嘆する、オープンな雰囲気と活発な討議内容
でした。

ちなみに座長は宇理須厚雄氏(藤田保健衛生大学医学部教授)。
委員名簿は下記URLをご覧下さい。

 http://www.cao.go.jp/consumer/kabusoshiki/syokuhinhyouji/doc/k131225_sankou3.pdf

オブザーバーとして板倉委員(消費生活アナリスト)、夏目委員
(全国地域婦人団体連絡協議会)、宮地委員(日本チェーンスト
ア協会)の3名が参加されました。

当日の配布資料は下記URLをご覧ください。

http://www.cao.go.jp/consumer/kabusoshiki/syokuhinhyouji/kakou/002/shiryou/index.html

 議題は下記の2件。

1.表示責任を有する者及び実際に製造等を行う場所の整理
    について
2.JAS法に基づく加工食品における個別品質表示基準の統合
    について(農産加工品、飲料関係)


★ 表示に責任を有する者とは?

最初の議題に関し、消費者庁から下記の説明がありました。
(1) 先に提案した「表示責任者」の用語は消費者の混乱を
    避けるため使用しない。代わって、現行のJAS法を踏ま
    え「製造者」「加工者」「販売者」の名称を維持する
    ことを提案する。

(2)「製造者」「加工者」の用語の定義は以下の通り。
 「製造者」:実際に食品を製造した者
       →「製造所」とは、食品が製造された場所
 「加工者」:実際に食品を加工(調整及び選別を含む)
             した者
       →「加工所」とは、食品が加工(調整及び
       選別を含む。)された場所


(3)「加工食品」と「生鮮食品」に関し、新しい食品表示
    基準では、「形態の変化」は「加工」には該当しない
    ものとする。「切断」の工程のみを経た食品は「生鮮
    食品」とする。

(4) 先に提案した「食品工場等」も消費者、事業者双方の

    混乱を招く恐れがあることから、用語の使用を止める。
    代わって、「製造所」「加工所」の用語を提案する。

(5) 製造所固有記号については、今後どのように取り扱う
    かを消費者庁で目下検討中。まとまり次第、本調査会
    に報告する。

 この後、表示責任を有する者の表示例として消費者庁から
 4つのパターンが示され、議論に入りました。前日の異常な
 栄養表示調査会と異なり、委員、オブザーバーが分け隔て
 なく、全体で活発な意見交換がなされました。

● 製造者と加工者の考え方が依然としてはっきりしない。
   もっと厳密な定義が必要。その線引きで現場は混乱し、
   かなり困っている。(立石委員、鬼武委員)


● ラベルに記載されている名前は、消費者から見ると表示
   に責任をもつと言うより、商品全体に対し責任をもって
   いる人と捉えている。その商品のことを一番分かってい

   る人、 商品全体に責任をもてる人の名称がラベルに書
   かれていることが最も大切。加工と製造を書き分ける
   意味が本当にあるのか?(河野委員)

● 表示事項はあくまで消費者の視点で記載すべき。
   何か問題が発生した時に確実にトレースできること、
   記載内容が分かりやすいこと。「加工」と「製造」の
   線引きはもっと業界の実態を把握してQ&A等で整理すべ
   き。(池戸委員)

● 法律上はシンプルにして、責任をもつ人は出来る限り
   1つにすべき。(鬼武委員)

 本件については、「代表の1つを書いて、トレースでき
 ること、Q&Aで保健所等がどう対応できるかが分かること。
 そのような体制が必要」との座長のまとめで概ね合意され
 ました。

★ 食品衛生法にもとづく「製造所」について

 今回のAフーズのリコール問題が背景にあり、この件は若干
 紛糾しました。
 
 先ず立石委員から「どこで作ったかの情報が今求められて
 いる。本当に作られた場所はどこなのか、この情報を消費
 者が見れば分かるようにするために製造所固有記号とセット
 で考えていかないといけない。」との指摘があり、鬼武委員

 からも同様の発言がありました。
 
 これに対し、消費者庁から「表示の内容に責任をもつ人と、

 作った場所を書くことが何よりも基本。固有記号の問題は
 現在検討中なので、ここではお示しできない。少なくとも
 消費者がトレースできるような形を考えている。」との

 回答がなされました。
 
 「製造者でよいか製造所でよいのか」との座長の質問に対
 しては「製造所に限定したい。」との消費者庁の判断です。
 さらに消費者の視点からの発言が各委員から続きました。
 結論的には「先ず製造所を明らかにすること。同時にトレ
 ースを含め消費者に分かりやすい体制を作ることが大切。
 さらに、製造所固有記号の問題が極めて重要なので、消費
 者庁の検討が終了次第、必ず本調査会で議論する。」との
 座長のまとめで一応落ち着いた次第です。但し鬼武委員から
 「製造所固有記号と一緒に議論しない限り、判断は保留
 もしくは反対」との意思表明がありました。

★ 加工食品における個別品質基準の統合について

 消費者庁の大まかな方針は以下の通りです。

1.現行のものは大きくは変えない。但し、矛盾するところ
    は変えていく。

2.横断的事項と個別事項のところで多少移動するものがある。

3.割り振りが未定のものがあり、関係省庁で調整中。

議論に入りました。先ず、横断と個別の割り振りについて板倉
委員から以下の指摘がありました。

「消費者庁で決められないものがあるということだが、横断的
に整理できるもの、できないもの、決められないものが何なのか、
はっきりと切り分けてご説明戴かないと、議論が行きつ戻りつ
するばかりで、ここでの時間が全く無駄になってしまう。先ず

消費者庁に問題点をしっかりと出して戴きたい。」

さらに河野委員からも、「横断と個別の表現自体は理解したが、
余りにも複雑すぎて、個々に見ると時代にそぐわないものもあ
る。実情を是非消費者庁で把握して戴いて、up dateする必要
がある。」との発言がありました。
 
その他、議論の進め方を含め各委員、オブザーバーから様々な
意見、要望がだされました。詳細は後日の議事録を是非ご覧
ください。これらに対し、消費者庁から「義務化の範囲は
拡大しない方針。用語は出来る限り統一したい。委員からの
要望に従い、変更点が分かるように資料の準備に努めます。」
との回答を戴きました。

会議の終了近く、「次回、事業者団体等のヒアリングをやり
たい。」との発言が座長からあり、即座に各委員、オブザー
バーから下記の通り意見が相次ぎました。

● 事前に事業者団体から資料を出して戴いて、私たちが是非
   知りたいこと、討議すべき課題を整理した上でヒアリング
   を行いたい。(板倉委員)

● 事業者の実行可能性だけでなく、現行の品質表示基準のど
   こら辺に問題があるのかを伺うことも大切。(池戸委員)


● 個別品評をどう整理するかが目標。ヒアリングの準備をき
   ちんとすること、それと目的が大切。(鬼武委員)

● ヒアリングに際し、議論の進め方をしっかりと見極めた上
   で実施すること。(安達座長代理)

こうしてヒアリングの実施条件と方針がまとまり、3時間に及
ぶ第2回会合を終了しました。これまでの多くの審議会、部会
で見られる形式的、予定消化的なヒアリングと異なり、この
調査会で一歩踏み込んだ実のあるヒアリングが次回もしくは
次々回に実現できそうな期待を抱きました。

微力ながら、引き続き本調査会の審議状況を皆様にお伝えす
る所存です。

                              代表取締役   元山 裕孝
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