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【サイエンスフォーラム通信  2014年 3月号】    2014.03.04. 発行
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≪第3回 加工食品の表示に関する調査会報告≫

2月28日(金)、食品表示部会「加工食品の表示に関する調査会」の
第3回会合が開かれました。当日の配布資料は下記URLから入手できます。
http://www.cao.go.jp/consumer/kabusoshiki/syokuhinhyouji/kakou/003/shiryou/index.html

調査会の宇理須座長始め委員7名(安達座長代理と石川委員は欠席)、
さらにオブザーバーとして阿久澤部会長、板倉委員、迫委員、夏目委員、
宮地委員の5名が出席されました。

当日の議題は下記の2つです。

1.加工食品における表示基準の統合について(各論)
2.食品表示基準における販売形態ごとの適用範囲について

●1. 加工食品における表示基準の統合(1)
     :JAS法関係の表示事項[消費者庁提案]

議論に先立ち、JAS法関係については予め下記の5つの論点が示され
ました。

論点1 個別品質表示基準の定義の統合について
論点2 個別品質表示基準の義務表示事項について
論点3 個別品質表示基準の表示の方法の統合について
       (次回の調査会で審議)
論点4 個別品質表示基準の一括表示枠外のその他の表示事項について
論点5 個別品質表示基準の表示禁止事項の統合について

消費者庁からの新提案は次の通りです。

★ 論点1:個別品質表示基準の定義の統合について
・基本的には、
(1) 用語の意味は原則として変更しない、
(2) 名称、形状、大きさ等はそれぞれ別にまとめる。

・統合イメージとしては、品目ごとに、名称に関する定義を
  一覧にまとめる(全品目)。
 その上で、農産物缶詰及び農産物瓶詰、トマト加工品については
 形状の定義をスライドさせる。同様に農産物缶詰及び農産物瓶詰
 については大きさの定義をそのまま移行する。
・定義を変更するものは以下の判断基準による。(変更例として
 「マカロニ類」と「めん類専用つゆ」を示した。)
(1)現行定められている名称の定義の範囲が、その品目の実態に
     合わないもの
(2)統合にあたり表示方法等について横断ルールを適用すること
     により、あえて定義の存置が必要でないもの

★ 論点2:個別品質表示基準の義務表示事項について
・品目別に定められた義務表示事項は、新基準でも基本的にその
  まま採用する。
・その場合、商品ごとに基準を検索しやすくするために品目ごと
  に整理する。
・統合イメージとして(1)品目ごと、(2)表示事項ごと、の2案が
  あるが、消費庁としては(1)の「品目ごと」でとりまとめたい。

★論点4:個別品質表示基準の一括表示枠外のその他の表示事項
          について
・消費者の選択等の際に有用な表示であると考えられることから、
  新基準においても品目ごとにそのまま採用する。
・統合イメージとして、消費者庁としては品目ごとに表示方法を
  整理したい。

★論点5:個別品質表示基準の表示禁止事項の統合について
・現行、品目ごとに定められている表示禁止事項のうち、加工
  食品全般に係るものは一般的な表示禁止事項として採用し、
  商品特性を考慮すべきものは可能な限り品目をまとめた上で
  個別の事項として定める。なお、品目独自のものは品目ごと
  に個別の事項として定める。

・上記にもとづき、統合イメージとして
(1)加工食品全般に係るもの、
(2)品目をまとめた上で表示禁止事項を定めるもの、
(3)品目ごとに表示禁止事項を定めるもの、の3パターン
     に整理する。

●2. 加工食品における表示基準の統合(2)
  :食品衛生法関係の表示事項[消費者庁提案]

食品衛生法関係については、現行の個別品質表示基準をそのまま
移行して統合する。

●3. 論点討議
宇理須座長の司会のもと、(1)論点1、(2)論点2と4、(3)論点5、
(4)食品衛生法関係、の4テーマで討議が始まりました。

[論点1について]
冒頭に、鬼武委員が自ら提出したコメントペーパーにもとづき、
消費者庁の提案文書に対しより精密な表現にすべきとの趣旨から
いくつかの記述内容の修正案が示され消費者庁が文章の修正を了
解しました。そのほか、いくつかの確認のための発言はありまし
たが、とくに際立った議論は無く、消費者庁案が基本的に了承さ
れました。

[論点2と4について]
「品目ごとに整理する」との消費者庁の提案に対し、板倉委員を
始め各委員から下記の意見が相次ぎました。

・今の品目ごとの表示は必ずしも消費者の認識と一致していない。
現行の規定をそのままホッチキスでつなぎ合わせても、消費者に
とって決して分かりやすい表示にはならない。議論自体はどうい
う方向でなされてもよいが、あくまで消費者に分かりやすい表示
を目指すべき。なるべく表示ごと、さらに商品ごとに整理して戴
きたい。(板倉委員)

・整理の仕方は品目ごと、表示ごとの両面から行うべき。
(鬼武委員)

・どちらの案も一長一短。個別品質表示基準を作った時と現在の
商品実態が合っていないところにむしろ問題があるのではないか。
そのギャップを埋める工夫が必要。(河野委員)

・事業者から見ると、当然ながら品目ごとに整理すべきで、この
体系は維持して欲しい。板倉委員の意見はQ&A等で工夫できるので
はないか。(池原委員)

・売り場は形態ごとに商品が並んでいる。消費者が商品を探すと
き先ず形態から入っていく。その意味で、私は消費者庁案で良い
と思う。(宮地委員)

・恐らく府令の書き方に関わってくる。これまで府令は品目ごと
の書き方になっており、検索する場合も品目ごとになされること
が多い。Q&A等で補完することを前提に、基本的には品目ごとで
良いのでは。(池戸委員)

以上の意見を踏まえ、「品目ごとを前提とし、表示事項はQ&A等
で補っていく。また、齟齬のある点は出来る限り正していく。」
(宇理須座長)とのまとめで了承されました。

実は上記のまとめの後、鬼武委員から「これまで食品衛生法で
−15℃、JAS法で−18℃と規定してきた冷凍食品の保存温度は、
今後の品質表示基準でどうなるのか」との質問を契機に、25分
間にわたり若干議論が紛糾しました。

冷凍食品の保存温度については、消費者庁から「冷凍食品の
品質表示基準では保存温度の規定は無い。非常に大きな課題な
ので、ダブルスタンダードにならないよう、これから慎重に
検討しどこかの段階でお示ししたい。」との説明がありました。
詳細は、後日公開される議事録をお読み戴ければ幸いです。

[論点5について]
先ず池原委員から「消費者庁案ではなぜ「天然」「自然」
「純正」が一括りになっているのか?」との疑問が提起され、
短時間の議論の結果、「最終的な仕分けの仕方は今後詰める
必要があるが、大きく3つに分けて整理する。統合イメージは
品目ごとに整理し、例外規定を今後追加していく。」との
消費庁の説明、および「現行を基本にし、齟齬のあるものは
見直していく。」(宇理須座長)のまとめで本件はまとまり
ました。

[食品衛生法関係について]

議論は僅か3分強。「食品衛生法の基準は安全に関わること
なので、現行をそのまま引き継いで統合する」ことで承認
されました。

●4. 食品表示基準における販売形態ごとの適用範囲について
      [消費者庁提案]

★ 加工食品について
先ず消費者庁から、(1)食品表示以外の手段による情報取得の
可能性、(2)事業者の実行可能性、の2点を勘案して食品表示
基準の適用対象とするかどうかを判断する旨の方針を述べた
上で、加工食品を下記の4つの販売形態に分類し、それぞれ適
用対象の有無を示しました。

(1)容器包装され、製造場所以外で販売される場合[通常の
     加工食品]:原則、食品表示基準の適用対象とする。
    (現行と同様に義務化)
(2)容器包装され、製造場所で直接販売される場合[スーパ
     ーのバックヤードで製造され店頭で販売される弁当類]
     :原則、食品表示基準の適用対象。但し、食品を摂取す
     る際の安全性のための表示についてのみ義務表示とする。
(3)あらかじめ容器包装されず、販売される場合[デパ地下の
     惣菜類]:原則、食品表示基準の適用対象とはしない。
     但し、生食用牛肉のリスク表示のみ現行通り適用対象と
     する。
(4)設備を設けてその場で飲食させる場合[外食]:
    (3)と同様に原則、食品表示基準の適用対象とはしない。
     但し、生食用牛肉のリスク表示のみ現行通り適用対象と
     する。

★ 生鮮食品について
生鮮食品に係る適用範囲については、あくまで容器包装された
ものであるか否かを基準に、以下の3つの販売形態ごとに判断が
消費者庁から示されました。

(1)生産場所以外で販売される場合
1)「容器包装なし」は、原則、食品表示基準の適用対象とする。
   但し食品を摂取する際の安全性に関する表示については、
   時間の経過とともに食品の状態が変化してしまうため義務
   表示とはしない。
2)「容器包装あり」は、原則、食品表示基準の対象とする。
  (現行と同様)

(2)生産場所で直接販売される場合
 1)「容器包装なし」は、原則、食品表示基準の適用対象と
     しない。
 2)「容器包装あり」は、原則、食品表示基準の対象とし、
     安全性に関する表示のみ義務表示とする。
(3)設備を設けて飲食させる場合[外食]
     原則、食品表示基準の適用対象としない。但し、生食
     用牛肉のリスク表示のみ現行通り適用対象とする。

●5.「販売形態ごとの適用範囲」に関する討議

消費者庁案に対する具体的な修正提案はなく、「食品表示
基準の適用対象とするということは、安全性に関する表示
事項および食品選択に関する表示事項をいずれも義務化する
と理解してよいか」(迫委員)等の文書表現上の確認に時間
が費やされました。迫委員の上記の質問に対しては、「適用
対象=義務化ではなく、適用対象とするとした上で何を義務
化するかという2段階になっていると理解して戴きたい」旨
の説明が消費者庁からありました。

むしろ僅かに議論が“波立った”のは、立石委員から発せら
れたインストア加工・外食を対象とする原材料表示の義務化
の主張です。

「これまで私は何度も言っているが、インストア加工と外食
がJAS法の適用からはずれていて、消費者の商品選択に必要
な原材料の情報がお店に伝わってこない。消費者が確認する
権利を行使できない実態を今回の食品表示法が是とするのか、
これが最も重要な問題だ。いったい、消費者に必要な情報と
は何なのか。」(立石委員)

これに対し消費者庁から、毎度お馴染みの「原料原産地、
アレルギー表示、GMO等の問題については、今般の表示の
統合に目途がついた段階で、準備の整ったところから別の
ステージで順次討議を進めていく。」との答弁がありました。
さらに、宇理須座長から「この問題について他の委員の皆様
はどうお考えですか。」と意見を求めたところ、「ものすご
く重要なだけにじっくりと議論すべき課題だが、この調査会
で取り扱うことは難しい。ここでは先ず現状を整理していく
ことが大切。」(池戸委員、鬼武委員、ほか)との意見が
あり、「立石委員の指摘された点は必ずスケジュールを立
てて検討することを議事録に残す」ことを条件に、議事を
終了しました。詳細は、後日の議事録をご覧下さい。

こうして、終わってみれば消費者庁案がほぼそのまま承認
された第3回調査会でしたが、立石委員が提起した問題以外
に掘り下げて議論すべき課題はなかったのか、筆者の不勉
強もあり指摘ができず残念です。委員の背後に控える傍聴
者の一部にかすかに不満の表情を感じ、「検討すべき課題
は本当にこれでよかったのか」との思いを抱いた次第です。

3時間に及ぶ審議の中で、突っ込んだ議論と言うより、む
しろかなりの時間が消費者庁の配布資料の表現上の確認に
費やされたことを考えると、限られたスケジュールの中で
資料を準備する事務局も大変ですが、各委員がその資料を
受け取るのは恐らく開催日の直前であり、事前に十分資料
を読みこなす時間がないのでは、との印象を受けました。

食品表示基準は、いうまでもなく食品事業者に及ぼす
影響が絶大であるだけに心配しています。

さて、3月は12日(水)に「第3回栄養表示調査会」、
14日(金)に「第3回生鮮食品・業務用食品表示調査会」、
20日(木)に「第4回加工食品表示調査会」、
そして26日(木)に「第28回食品表示部会」(親部会)
と“盛りだくさん”です。前の2つは仕事の都合で傍聴
できませんが、後の2つは出来る限り参加してお伝えし
たいと存じます。

                   代表取締役社長  元山 裕孝
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