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【サイエンスフォーラム通信  2014年 7月号】    2014.07.01  発行
現場の問題解決のための実践図書・セミナー
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≪マルハニチロ 石原好博氏の告白から食品表示基準(案)まで≫

6月23日(月)、FOOCOM主催「マルハニチロ 環境・品質保証部長
石原好博さんを招いて」と題するセミナーが開催されました。

アクリフーズ農薬混入事件での社内対応の実態とクライシスに陥った
当事者の姿、心情を客観的な眼で静かに、しかも熱い思いで告白され
た石原氏の姿勢、本セミナー出席への英断に心から敬意を表します。
同時に、5月29日に公表された「第三者検証委員会」最終報告から逸早
くこのような意見交換の場を企画・実行されたFOOCOMの果敢な行動力に
感服する次第です。

当日の詳細はFOOCOMから会員宛てに報告されていますのでここでは差し
控えますが、「第三者検証委員会」の委員でありセミナー主宰者の松永
和紀氏、そして大混乱の渦中で格闘された石原氏の以下の言葉が大変印
象に残りました。

・ 報告書から落ちこぼれた事柄がかなりある。とくに“人の動き”や
  “人の気持”を全く盛り込めなかった。これらをまとめ切れなかった。
  (松永氏)

・12月27日にマラチオン2200ppmが出た時点で社内が完全にパニックに
  なり、「これで回収したら間違いなく会社がつぶれる」という話に
  なった。これが本当のクライシスだった。また社内の関係者にヒア
  リングをして、アクリとマルハニチロでこんなに文化が違うとは思
  わなかった。アクリの人たちは(精神的に)ボロボロになっている。
  (石原氏)
 
経験と情報の共有が出来なければ「第二のアクリ事件」は必ず起こり
うると思います。今回の事件が内部の犯行であるために、残念ながら
ダメージが外傷性に止まらず関係者の心の奥深い部分に深刻な傷をも
たらしたことを知り、石原氏のメッセージをひときわ真剣に受け止め
なければならないと痛感致しました。

★ 委員も傍聴者もうんざり!
      :消費者委員会食品表示部会(第29回)報告

6月25日(水)、第29回食品表示部会が開かれ、いよいよ「食品表示基準
(案)」の全文が示されました。当日の配布資料は下記URLから入手でき
ます。
http://www.cao.go.jp/consumer/kabusoshiki/syokuhinhyouji/bukai/029/shiryou/index
.html

実に手回し良く、6月26日付けで消費者庁から「食品表示基準案(パブ
コメ案)に係る説明会の開催について」と題するニュースリリースで、
7月上旬から全国7会場で説明会が開かれることが発表されました。
開催日も会場も既に設定されています。本当にそこまで食品表示部会
および調査会での審議が熟したのか、正直なところ極めて疑問です。
 
さて26日の部会ですが、3つの調査会(栄養、生鮮食品・業務用食品、
加工食品)の各報告書だけでもズシリと枚数がある上に、本題の
「食品表示基準(案)」は本体が51頁、別表が285頁、合計336頁に
及ぶ大部なボリュームです。幾人かの委員から「今日初めてこの報告
書を見た。」との声が聞かれました。

これらを会議前に読みこなし、当初予定の3時間で議論すること自体
がもともと無理な話です。案の定、当日10時に開始された会議が
途中僅か5分の休憩のみで14時45分まで昼食なしで延長される有様。
委員の皆様は本当にご苦労様ですが、時間の割に内容のある議論が
なされたわけでもなく、なによりも終日沈黙を強いられ後ろに控え
る多くの傍聴者が心底うんざりした1日でした。

審議内容の希薄さは、会の運営をコントロールできない阿久澤部会
長に僭越ながら一半の責任があるように感じました。

昨年11月の本部会スタート時点から言えることですが、延々と自説
を主張するJA全農の立石委員に会の進行が引きずられ、同委員が当
日の栄養表示調査会報告の中でも相変わらずトランス脂肪酸の表示
義務化を訴え続ける発言を全く制止できず、「トランス脂肪酸の議
論はこれくらいで」と部会長自身が宣言したにもかかわらず、その
後も関連の発言を次々に認める始末。立石委員の独演会のため30分
近く時間を浪費し栄養表示の報告と審議だけで1時間以上を費やす
展開となり、この日の時間延長はこの時点で明らかでした。

さすがに鬼武委員から「トランス脂肪酸について委員間で意見が
拮抗しているように見えるが、実際は中途半端な意見交換になって
いる。トランス脂肪酸について議論するのであればレビューできる
資料を予めしっかりと用意すべきで、何よりも消費者庁の準備が悪
い。議論の進め方自体が問題。」との抗議の声が上がりました。

栄養表示調査会報告については、「栄養成分の表示のあり方に関し
「任意」を推奨とその他に分けているが、推奨についてはこの調査
会で全くコンセンサスを得ていない。」(鬼武委員)、「食品単位
については「サービングサイズ」を国がイニシアティブをとって決
めるべき。事業者単独では難しい。」(鬼武委員、板倉委員、河野
委員)等の発言がありましたが、上述の通り正味の議論は極めて短
時間で、報告書を修正するには至らず意見に止まりました。

他の調査会の報告と討議内容も“推して知るべし”です。

次に生鮮食品・業務用食品表示調査会の報告に移りました。ここは
割と短時間で終わりましたが、問題になったのは、やはり生鮮と
加工食品の区分です。鬼武委員と板倉委員の発言が印象に残りまし
た。しかし議論の時間はなく、残念ながら結局意見に止まりました。

・私は最初から言っているが、容器包装に入っているかどうかで
  分けるべきで、「添加物が入っているから生鮮ではなく加工に
  なる」と法律で無理に分ける 必要はない。それは消費者には
  判断できない。(鬼武委員)

・私も鬼武委員の意見に最初から賛成です。生鮮食品の概念が人
  によってこれほど多様なのに、法律で無理に決める意味がある
  のか?加工度の違いでそれぞれの表示義務の中身が変わってく
  るという考え方の方が良いと思うし、海外では無理に分けては
  いない。こういうことを踏まえて、もう一度見直しをするとい
  うことがあっても良いのではないか。(板倉委員)

さらに紛糾したのは「加工食品表示調査会」の報告です。とくに
「製造所固有記号」の問題です。製造所固有記号に関し「本調査
会では以下のとおり問題が残った」として、報告書の最後に下記
の通り記載しています。

「事業者、消費者の意見を踏まえ、製造所固有記号の在り方につ
いて、以下の点を中心に(中略)1〜4の方向性を含め検討すること。

1. 製造所固有記号の使用は認めないこと。
2. 表示可能面積に制約がある場合にのみ製造所固有記号の使用を
   認めること。
3. 自社の複数の工場で製造する場合のみ製造所固有記号の使用を
   認めること。
4. 消費者庁のデータベースの改善措置のみ講じること。

これに対し、各委員から次々と反論が提起されました。

・80万件の固有記号について消費者庁が実態を把握していない中、
  各委員が それぞれの思いで発言されているので全く意見が食い
  違っている。先ず80万件の実態をしっかり把握した上で議論す
  べき。消費者庁の提案自体矛盾している。(宮地委員)

・消費者庁がこれまでレビューできる資料をきちんと提供して
  こなかったので、我々の中で議論がすれ違うのは当然。この
  問題は我々だけの議論だけで済まない。もっと真剣に考える
  べきで、消費者庁が「固有記号の見直し」という中途半端な
  提案をすること自体が問題。(鬼武委員)

・消費者は本当に製造所の所在地の記載を求めているのか?
  消費者ニーズとして優先順位はそれほど高くないのではない
  か。(池原委員)

・既に破綻している固有記号制度を守ろうとすること自体が
  おかしい。破綻している実態をきちっと明らかにした上で
  パブコメをすべきで、このままの状態でパブコメをやるべき
  ではない。(立石委員)

これに対し「新たなご意見を戴きました。」との阿久澤部会長の
意外な言葉がありました。しかし上記の意見はこれまでの調査会
の審議の中で繰り返されてきた主張です。こうした意見が報告会
当日に再び出ることは、いかにこれまでの調査会で十分な審議が
なされてこなかったかの証とも言えます。一見まとまったかのよ
うな体裁で報告書が作られていますが、内実は行政上のスケジュ
ールを優先し、7月の消費者庁のパブコメ案説明会に間に合わせ
るため一致点を見出す濃密な議論のプロセスを最初から放棄し、
様々な意見を単に併記するだけで拙速に形だけを整えたという
ことが現実のようです。
 
一方、固有記号と並んでもう一つの大きな懸案事項である「アレ
ルギー表示」に関し、ほとんど議論がなされなかった(発言は石川
委員、栗山委員のみ)ことが大変残念に思えました。

 <食品表示基準案、そしてパブコメへ>
 
いよいよ食品表示基準案の話に入りました。膨大な分量の基準案に
関し消費庁から40分近く、それでも大分端折りながら説明があり、
その後意見の聴取が行われました。

先ず鬼武委員から次の通り消費者庁への要請があり、恐らくこれ
が全委員の総意のように感じました。

・これだけの(大部な)資料で一般の人にパブコメを求めても
  難しい。このままでは無理。少なくとも現行制度の主な変更点
  について、

  1. バックグラウンドとしてなぜこのような変更点が出てきたのか、
  2. これについて調査会および部会でどのような審議がなされてき
     たのか、
  3. 論点としてどういうことをパブコメで求めているのかについて、
     分かりやすい文章を付記してパブコメを行うことが最低の条件。
 
基準案自体については「これを見せられても、パブコメでどう意見を
言ったらよいのか見当がつかない。これまでの調査会での議論や意見
が全く反映されていない。」(栗山委員)との声が聞かれました。
 
さらに池原委員から「基準案にある「任意」の中の「推奨」の格上げ
や「原材料」と「添加物」の区別など、調査会や部会で全く議論して
いないことが消費者庁の判断で盛り込まれている。自分たちが議論し
てきたことと基準案の書き方が違う。なぜこういうことになるのか?」
との抗議がありました。これについて「法律技術上はこういう書き方
になる。」との消費者庁の説明があり、消費者委員会事務局からも
「部会が認めなければパブコメが出来ないというものではない。
調査会の報告と基準案にズレがあっても、時間的にやむを得ない。」
との発言がありました。

こうして“マラソン会議”が終了しました。審議機関である消費者委員
会食品表示部会のミッションおよび各委員の意識と、行政執行機関であ
る消費者庁の担当官の認識レベルの違いが基準案を前にくっきりと浮き
彫りになりました。
 
事業者として気をつけなければならないのは本内閣府令の経過措置です。
「食品表示基準の施行後、新ルールに基づく表示への移行の猶予期間は、
加工食品は2年、添加物は1年(いずれも、栄養成分表示については5年)、
生鮮食品は経過措置期間なし」と定められています。
 
いよいよ7月に内閣府令である基準案を消費者庁が公表し同月に各地で
説明会を行い、パブコメの集約を経て、食品表示部会で食品基準案に
ついて改めて審議される予定です。部会は9月頃と伺っております。
委員の皆様、本当にご苦労さまでした。

★★★

以下は、冒頭でご紹介した「第三者検証委員会」委員長 今村知明氏
(奈良県立医科大学)にご講演戴く「異臭苦情・有害物質混入への迅速
対応と食品防御対策」を始め、小社で開催致します研修講座の数々です。
ご一覧を戴ければ幸いです。

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  ┠■ 入門講座 初めての食品微生物 第2講座
        初級者のための微生物検査の実践的基礎
 ┠■ 異臭苦情・有害物質混入への迅速対応と食品防御対策
 ┠■ 今後求められる食品異物対策のあり方
 ┠■ チルド商品 vs. 冷凍食品
 ┠■ 【第10回】食品安全のための工場点検ワークショップ

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http://www.science-forum.co.jp/seminar/91417.htm
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 ▼ 異臭苦情・有害物質混入への迅速対応と食品防御対策
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【開催日】2014年 7月 28日(月) 10:00 〜 16:40 
【会  場】飯田橋レインボービル2F 中会議室
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【開催日】2014年 8月 6日(水)  10:00 〜 16:30 
【会  場】飯田橋レインボービル2F 中会議室
【受講料】定価 38,000円+消費税 → web価格 36,100円+消費税
【定  員】60名

⇒ 詳細・お申し込みはこちらから↓
http://www.science-forum.co.jp/seminar/91419.htm
⇒ パンフレットのダウンロードはこちらから↓
http://www.science-forum.co.jp/seminar/print/2014/91419.pdf
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 ▼ 【第10回】食品安全のための工場点検ワークショップ
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【開催日】2014年 8月 28日(木) 9:30 〜 17:00 
                 8月 29日(金) 9:30 〜 17:00
【会  場】飯田橋レインビービル「中会議室」
【受講料】定価 60,000円+消費税 → web価格 57,000円+消費税
【定  員】40名(少人数定員制)

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