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【サイエンスフォーラム通信  2015年 2月号】   2015.02.02  発行
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≪リスクコミュニケーションのあり方を求めて≫

「イスラム国」によるフリージャーナリスト 後藤健二さん殺害の
悲報に接し、今さらながら己の無力さ、世界に眼を閉ざした視野の
狭さを痛感しています。聞くところによると、わが国のマスコミは
危険地帯への自社の取材記者の派遣を禁止しているとのこと。改め
てマスコミの現実を知りました。

閑話休題。食品事業者の情報開示のあり方が問われている今日、考
え方の基盤として参考になると思われる食品安全委員会「リスクコ
ミュニケーションのあり方に関するワーキンググループ」の第1回
会合が1月28日(水)に開かれました。

本会議は、食品安全委員会が昨年5月に設置した「リスクコミュニ
ケーションのあり方に関する勉強会」での議論を今後報告書として
まとめることを使命としています。

ワーキンググループでの議論の前提として、勉強会としては最後に
なる第6回(2014年12月15日)に「リスクコミュニケ―ションのあり
方に関するとりまとめ骨子(案)」が示されていますが、「リスク
コミュニケーションとは、リスクアナリシスの中の非常に重要な
要素であり、最も難しい。」と冒頭で指摘しつつ、その要点は下記
の通りです。

1)リスクコミュニケーションの肝は「対話・共考・協働」であり、
   説得の場ではない。
2)ターゲット毎に複層的・重層的に行う必要がある。
3)分かりやすさに留意しつつ、基本的に全ての情報を最大限早く
   提供する。
4)現段階で分からないことも含め、判断根拠(判断のプロセス)
   を発信する。
5)企業は、食品安全の問題は社会全体で共同して取り組むという
   姿勢をもつべき。
6)リスクコミュニケーションを実施するには、非常にコストと労
   力がかかる。

第6回勉強会の議事録を見ると、予め数名の委員から報告書に対し
以下の期待が寄せられています。
 
「日本には、リスクコミュニケーション機関というのがない。リス
ク対象ごとに関連の省庁の人たちが緩やかに集まって発信できると
か、議論できるとか、そういう組織づくりのようなものが提言でき
たら。」(追手門学院大学 金川智惠氏)

「今までとは違った、あるいは一歩進んだリスクコミュニケーション
のあり方を考えていくような取りまとめにできたらいい。」(東京
大学 細野ひろみ氏)

「ここで、こういう考えにのっとって、リスクコミュニケーション
はやれますよ、そのトレーニングも必要なのですよということを
伝えるという意味で、このまとめというのはとても重要になって
くる。」(科学ライター 松永和紀氏)

さて、定刻の午後2時、ワーキンググループの議論が始まりました。
前記「骨子(案)」を加筆し「食品安全分野におけるリスクコミュ
ニケ―ションのあり方について(案)」を題名とする10頁の報告書
案が討議対象です。食品表示部会の時と同様に、日本生協連 鬼武
一夫氏から朱色に染まったコメントペーパーが提出されました。
2月2日現在、当日の配布資料が公開されておりませんので、以下に
報告書案の目次をご紹介します。
 
 はじめに
 1) リスクコミュニケーションとは
 2) リスクコミュニケーションの方針
 3) リスクコミュニケーションの目標
 4) リスクコミュニケーションの評価
 5) リスク情報の提供
 6) リスクコミュニケーションにかかる費用
 7) ステークホルダーの役割
 8) 安全教育・リスク教育
 9) リスクコミュニケーションの担い手
 〔クライシスコミュニケーションについて〕
 
前記の各委員の発言を知り掘り下げた内容が展開されるものと楽し
みに参加しましたが、意外なことに、先の勉強会の中で十分吟味す
べきことと思われる「誰のための報告書か。リスク評価機関のため
のリスクコミュニケーションのあり方を議論すべきではないのか」
との座長(長崎大学 堀口逸子氏)の問いかけに冒頭の50分間が
費やされ、なかなか本論に入っていきません。
恐らく筆者自身のリスコミに関する勉強不足に由来することで、
委員の先生方には大変申し訳ないのですが、正直なところ何を議
論しようとしているのか分かりませんでした。

救われたのは松永氏(科学ライター)の以下の発言です。
 
「この報告書案で私が最も気になるのは、なぜこの時期にわざわ
ざ報告書をまとめなければならないのかが分からない。必然性が
どこにあるのか。この10年やってきて、一言で言えばやはり食品
のリスコミは難しい。食品ならではの特徴もある。その難しさは
これまでの議論の中にも出ている。それをきちっとまとめ、「だ
から次に行くんだ」と提起しないと報告書として成立しない。
この10年で分かってきた食品のリスク問題の難しさを踏まえ、今
後どうすべきかという問題意識でこの報告書をまとめることが必
要。」
 
松永氏はさらに「「ステークホルダー」という言葉が何度も出て
くるが、この意味がよく分からない。報告書案の「リスクの相場
感」の言葉も同じ。こうした言葉を使用していると、結局私たち
は“リスコミ村”の住人」との指摘をしています。

傍聴席から拝聴する限り、上記の松永氏、および同席した姫田
 尚氏(食品安全委員会事務局長)の「私の危機意識は、リスク
コミュニケーションが一部の政治家や行政官の間で「リスコミと
は説得だ」ということになっていて、かなり誤解を生んでいると
ころにある。」との発言が両輪となり、その後議論が動き出した
ように感じました。「リスコミの捉え方が間違っている。新しい
リスコミのあり方を打ち出していきたい。」との夏目智子氏
(全国地域婦人団体連絡協議会)の発言が続きました。

ただ気になったことは、議論開始から1時間強が経過した時点か
ら傍聴者の退席が出始めたことです。期待に反し会議の内容に
見切りをつけられたのでしょうか。会議終了間際(16時30分)
は、無残にも傍聴席はガラガラの状態でした。

もう一つ浅学を顧みず言わせて戴くと、そもそも「なぜ報告書を
まとめるか」は6回に及ぶ勉強会の中で十分議論されるべき根幹
の事柄ではなかったのでしょうか。
当日の議事録は後日公開される予定ですので、是非ご覧くださ
い。次回のワーキンググループの会議は3月6日(金)。そこで
報告書を最終的にまとめるとのことです。
 
政府機関による形ばかりの「リスクコミュニケーション」がこ
れまで数多く実施されながら、ほとんどは関係者の一方的な説
明会に過ぎず、リスクコミュニケーションについて詰めた議論
がこれまでなされてこなかったのではないか、だから依然とし
て用語が曖昧なまま政治的に利用されているのではないか・・
傍聴してそのように感じました。
しかし、調べてみると必ずしもそうではないのです。勉強会の
第1回会合でも配布されていますが、食品安全委員会からかつ
て下記の2件の報告書が出されています。
 
「食の安全に関するリスクコミュニケーションの現状と課題」
(平成16年7月)
「食の安全に関するリスクコミュニケーションの改善に向けて」
(平成18年11月)
 
いずれも同委員会「リスクコミュニケーション専門調査会」が相
当な時間と委員を動員してまとめたもので、食品安全委員会のホ
ームページを見るとこの専門調査会は平成23年1月までに50回の
会合を重ねています。
管轄は異なりますが、厚生労働省でも「食の安全に関するリスク
コミュニケーションの在り方に関する報告書」(平成17年3月)
が公表されています。ちなみに厚労省の報告書では、リスクコ
ミュニケーションを以下の通り定義しています。
 
「リスクコミュニケーションとは、対象とする要因が持つ危険
性の発生頻度や障害の重篤度を考慮に入れて、その要因をどの
程度なら受け入れられるのか、危険性を軽減・回避するにはど
うすれば良いのかなどについて関係者が共に考え、社会的な合
意形成の道筋を探るために行う双方向的コミュニケーションで
あり、一方的な宣伝や説得の過程ではない。」
 
上記を見る限り、この10年間で認識は何ら変わっていないよう
に思われます。それほど現実の場面では食品のリスコミが難し
いということなのかも知れませんが、かなりのリソースと費用
をかけて作成したこれらの報告書、そこに向けられた委員のエ
ネルギーと知恵が本当にその後の行政や関連機関の活動に活か
されてきたのか、そもそも報告書を自らの活動に活かすために
作成したのか、実は「コミュニケーション」自体、私たちは
本質的に不得手なのではないか・・・自らの不勉強を度外視し
て勝手な感想をもった次第です。
インターネットのウィキペディアを見ると、以下の記述があり
ました。
 
「コミュニケーション=communicationの語源はラテン語の
communisで、「共通の」「共有の」という意味。」
 
            代表取締役社長  元山 裕孝

■  INDEX ───────────────────────────
【1】2月 〜 4月  開催セミナーのご案内
 
  ┠ ■ [第2回] 水の安全を考える
  ┃   〜 食品工場で使用する水の安全性・健全性の確保を目指して
  ┠ ■ [第11回] 食品安全のための工場点検ワークショップ
 ┃   〜 改善をより確実にするための工場点検のノウハウ
  ┠ ■ 真菌(カビ・酵母)を制する 入門講座
 ┃   〜 ビジュアルに、【ツボ】を押さえて真菌対策を伝授! 
  ┠ ■ 発酵食品の高機能化戦略2015
  ┃     ─ メタボローム解析による新規発酵食品の開発 ─
  ┠ ■ 2015年度 微生物試験法の妥当性確認 実務者講習会
  ┠ ■ チルド包装惣菜への入門
  ┃  〜 ロングライフチルド開発者の必修コース
  ┠ ■ 食品微生物検査の相談所 [第2回]
  ┃  〜 管理を見直すべき重要危害微生物とその制御法
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  ┃  〜 現場改善のための洗浄殺菌の適正選択と清浄度評価の
  ┃     ノウハウ
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【2】書籍 特別割引販売のご案内 
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【1】2月 〜4月  開催のセミナーのご案内
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▼ [第2回] 水の安全を考える
〜 食品工場で使用する水の安全性・健全性の確保を目指して 〜
────────────────────────────────
【開催日】2015年 2月 6日(金)  10:30 〜 16:55
【会  場】自動車会館 大会議室
【受講料】定価 38,000円(税別)→ web価格 36,100円(税別)
【定  員】60名

⇒ 詳細・お申し込みはこちらから↓
http://www.science-forum.co.jp/seminar/91503.htm
⇒ パンフレットのダウンロードはこちらから↓
http://www.science-forum.co.jp/seminar/print/2015/91503.pdf
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▼ [第11回] 食品安全のための工場点検ワークショップ
────────────────────────────────
【開催日】2015年 2月 17日(火) 9:30 〜 18:00 
                 2月 18日(水) 9: 30〜  17:00
【会  場】飯田橋レインボービル 中会議室
【受講料】定価 60,000円(税別)→ web価格 57,000円(税別)
【定  員】40名(少人数定員制)

⇒ 詳細・お申し込みはこちらから↓
http://www.science-forum.co.jp/seminar/91504.htm
⇒ パンフレットのダウンロードはこちらから↓
http://www.science-forum.co.jp/seminar/print/2015/91504.pdf
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▼ 真菌(カビ・酵母)を制する 入門講座
────────────────────────────────
【開催日】2015年 2月 27日(金) 10:00 〜 16:30 
【会  場】飯田橋レインボービル 中会議室
【受講料】定価 38,000円(税別)→ web価格 36,100円(税別)
【定  員】60名

⇒ 詳細・お申し込みはこちらから↓
http://www.science-forum.co.jp/seminar/91505.htm
⇒ パンフレットのダウンロードはこちらから↓
http://www.science-forum.co.jp/seminar/print/2015/91505.pdf
────────────────────────────────
▼ 発酵食品の高機能化戦略2015
────────────────────────────────
【開催日】2015年 3月 4日(水) 10:00 〜 16:00 
【会  場】連合会館 「201会議室」
【受講料】定価 36,000円(税別)→ web価格 34,200円(税別)
【定  員】48名

⇒ 詳細・お申し込みはこちらから↓
http://www.science-forum.co.jp/seminar/91506.htm
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http://www.science-forum.co.jp/seminar/print/2015/91506.pdf
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▼ 2015年度 微生物試験法の妥当性確認 実務者講習会
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【開催日】2015年 3月 11日(水) 10:00 〜 16:30 
【会  場】連合会館 「201会議室」
【受講料】定価 38,000円(税別)→ web価格 36,100円(税別)
【定  員】50名

⇒ 詳細・お申し込みはこちらから↓
http://www.science-forum.co.jp/seminar/91507.htm
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http://www.science-forum.co.jp/seminar/print/2015/91507.pdf
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▼ チルド包装惣菜への入門
────────────────────────────────
【開催日】2015年 3月 19日(木)   10:00 〜 16:00
【会  場】連合会館 201会議室
【受講料】定価 36,000円(税別)→ web価格 34,200円(税別)
【定  員】48名

⇒ 詳細・お申し込みはこちらから↓
http://www.science-forum.co.jp/seminar/91508.htm
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http://www.science-forum.co.jp/seminar/print/2015/91508.pdf
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▼ 食品微生物検査の相談所 [ 第2回]
─ 管理を見直すべき重要危害微生物とその制御法
────────────────────────────────
【開催日】2015年 4月 15日(水)   10:00 〜 16:30
【会  場】連合会館 201会議室
【受講料】定価 38,000円(税別)→ web価格 36,100円(税別)
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▼ 実践! 洗浄殺菌ワークショップ
─ 現場改善のための洗浄殺菌の適正選択と清浄度評価のノウハウ
────────────────────────────────
【開催日】2015年 4月 24日(木)   10:00 〜 17:00
【会  場】飯田橋レインボービル2F 中会議室
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