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【サイエンスフォーラム通信  2015年 5月号】   2015.05.01 発行
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≪政府の危険な動き +食品安全委員会ワーキンググループ報告≫

最近、二つの記事が目に留まりました。
一つは、ドイツ有力紙の元東京特派員が離任に際して書いた「外国人
特派員の告白」に対し、外務省が露骨に攻撃し侮辱的な抗議を行った
という記事。元特派員は「日本の外務官僚たちが、批判的な記事を大
っぴらに攻撃しているようだ」と告発しています。さらに米国主要紙
の特派員は、記事中の識者の選定を巡り日本政府から細かい注文をつ
けられたことを明らかにしています。
(朝日新聞デジタル 2015年4月28日04時27分)

とくに昨年来、言論機関に対するわが国政府の干渉、統制が強まりつ
つあります。国内のメディアに対して既に介入が始まったことは、皆
様ご承知の通りです。
数ヵ月前、フリージャーナリスト 後藤健二さんがIS(イスラム国)に
より殺害された時、或るジャーナリストが「情報社会の現代において
は、報道されないことは存在しないことと同じです。悲劇の存在を伝
える。それが悲劇をなくすための第一歩なのです」(池上 彰氏。
朝日新聞 2015年2月21日)と述べていたことが思い出されます。その
報道が歪められようとしています。前出のドイツの元特派員は、「我
々は決して反日ではない。友好国の政府がおそらく良いとは思えない
方向に進みつつあるのを懸念しているから批判するのだ。安倍政権が
なぜドイツや外国メディアから批判されるのか、この議論をきっかけ
に少しでも自分自身を考えてもらいたい」と訴えています。

もう一つは、科学ライター 松永和紀氏が指摘した「安全性が確認で
きない」とトクホを却下された製品が4月からスタートした「機能性
表示食品」として登場したという驚くべき事実(FOOCOM.NET 2015年
4月22日)。「企業の良識に頼り、消費者庁は書類の形式的なチェック
だけ、という機能性表示制度が抱える大きな欠陥が見えて来る。怖い
時代が幕を開けたのだ。」と同氏は警告しています。

★食品安全委員会「第3回 リスクコミュニケ―ションのあり方に
  関するWG」報告

この4月、いよいよ機能性表示食品制度が施行され、食品事業者から
消費者庁に届出された製品の有効性と安全性の科学的根拠が問われる
ステージを迎えました。行政、消費者、事業者を問わず「リスクコ
ミュニケーション」に対する明確な理解が求められています。
上記の社会的気運を背景に、食品安全委員会は昨年5月「リスクコ
ミュニケーションのあり方に関する勉強会」を設置。同年12月まで
の6回の勉強会の成果を踏まえ、報告書のとりまとめを使命とする
「リスクコミュニケーションのあり方に関するワーキンググループ」
(座長:堀口逸子 長崎大学広報戦略本部准教授)が本年1月にスタ
ート。4月22日(水)の第3回会合で報告書案が姿を現しました。

報告書案の目次は以下の通りです。

はじめに
1.リスクコミュニケーションとは
2.これまでのリスクコミュニケーションの取組における課題
3.食品分野におけるリスク
4.望ましいリスクコミュニケーションのあり方
5.関係者に期待される姿勢
 (1) リスク評価機関としての食品安全委員会
 (2) 行政機関
 (3) 食品関係事業者
 (4) 消費者
 (5) 科学者
 (6) メディア
おわりに

当日の配布資料は食品安全委員会から後日公開されますので、
ご確認下さい。会議が始まる前、事務局から配布された[資料1]
「食品の安全に関するリスクコミュニケーションのあり方について
(案)」を一読し、「これは何だ?」と率直に思いました。「誰の
ために、何のために、どうしようとしているのか」がほとんど分か
らないのです。

案の定、会議は冒頭から紛糾しました。とくに「この報告書案は
食品安全委員会がリスクコミュニケーションをする場合にどうい
う点を中心に進めるべきか、という視点でまとめた。」との事務局
(東條次長)の説明に対し、堀口座長、専門参考人の松永和紀氏か
ら強硬な抗議の声があがりました。

「私たちが議論してきたのは食品に関わるリスクコミュニケーショ
ンであって、食品安全委員会のリスクコミュニケーションではない。
この点は今まで何度も確認している。これまで文科省、農水省、消
費者庁の方々にも来て戴いて進めてきた議論が、そっくりそぎ落と
されている。なぜ私たちの議論が尊重されず、途中でこのように変
わるのか?」(堀口座長)

「食品安全委員会のリスクコミュニケーションの議論を私たちは
何もしていない。そんな報告書は出せない!ここでかなり時間を
割いて明らかにしたリスクコミュニケーションの問題点やポイン
トが報告書案で抜け落ちている。」(松永氏)

ワーキンググループでの議論が報告書案に全く反映されていない
ことが顕著になりました。他の委員も同様の意見で、「このよう
な内容では報告書案としてここで出す必要はない。」(専門委員
 夏目智子氏)との声が続く始末。止む無く事務局が全面的に譲
 歩する形になりました。

◆リスクコミュニケーションには定まった形や正解はない、とい
  う認識

当日の配布資料4「松永専門参考人提出資料」の中で、報告書の
本来の位置づけと修正すべき点を以下の通り松永氏が的確に指摘
しています。

(1) リスクコミュニケーションに「正解」があるわけではなく、
    誠実で多様なリスクコミュニケーションを促すため、10年の
    経験に基づく基本的な考え方を記した“参考資料”的な文書
    であることを明記すべき。

(2) 当事者に「自分のことだ」と思ってもらわないと改善は望め
    ない。報告書を読んだ人が自分のこととして理解できるよう
    に、各関係者の現状・問題点・課題を、ここでの議論を反映
    させて具体的かつ詳細に記述すべきである。

(3) リスク情報と共にベネフィット情報をどのように伝えるのか
    に言及すべきである。合意はなくても、現実のリスクコミュ
    ニケーションの中で誰もが迷っている。

(4) 情報の公開は、必ずしも信頼を産み出すわけではない。信頼
    獲得にあたっては、公開するかしないかよりも、公開の有無
    の線引きが理解されるかどうか、その検討が公正中立であり
    透明性が確保されるかどうかの方が重要である。

(5) 消費者は情報をそのまま受け入れるのではなく、その情報が
    正しいかどうかを自分で判断する姿勢、すなわちメディアリ
    テラシーが求められる。

当日の議論を通して、「リスクコミュニケーションはこうあるべ
き、という定まったものは本来存在しない。このことを前提にリ
スクコミュニケ―ションの基本的な考え方を伝えたい。やり方は
多様で良い。ここで示す考え方を参考に、様々な形態で関係者に
取り組んで戴きたい。」(堀口座長まとめ)というリスクコミュ
ニケーションの姿が浮き彫りになり、これが全委員の共通認識で
あることが明らかになりました。

◆一瞬垣間見えた事務局の内情。今後は企画等専門調査会の舞台へ

ワーキンググループと事務局とのやり取りを目の当たりにし、
これで会議が決裂するかと思いきや、さすがに良識の集団。
前回までに詰み上げた議論が“オセロゲーム”の如く反転しま
したが、激しい抗議を経て、これまでの議事録にもとづき本来
の論調に戻ることが確認されて以降はほとんど逐条解釈的な議
事の進め方になり、ひたすら傍聴する者にはなかなかつらい時
間でした。

それでも興味深かったのは、上記の攻防で一瞬垣間見えた「お
や?」と思える事務局の姿です。これまで消費者委員会の部会
の傍聴を続けてきて、同委員会と消費者庁との独特の関係、表
現は不躾で申し訳ありませんが消費者委員会事務局の影の薄さ
を感じてまいりました。今回初めて各委員と食品安全委員会事
務局との攻防を目撃し、これまで外から見ておぼろげに抱いて
いた同委員会のイメージとは裏腹に、それを支える事務局のご
苦労の一端を感じた次第です。

ともあれ委員の皆様の任務はこれで完了です。報告書の修正と
最終とりまとめは座長一任となり、今後は本ワーキンググルー
プの産みの親である食品安全委員会企画等専門調査会で5月14日
(木)に報告されることになります。

午後2時に始まった会議が4時半に終了しましたが、その瞬間、
ワーキンググループのメンバーから思わず拍手が起こりました。
これも驚きでした。「無事役割を終えた」という思いと委員ご
自身へのいたわりの拍手でしょうか。拍手の波が広がり、僅か
に現実の厳しさを忘れさせるかのような微笑ましいシーンで
した。

健康食品の誇大広告、表示の優良誤認に見られる確信犯は後
を絶たず、“グレイゾーン”で勝負する事業者は依然として
かなり存在します。読者の“受け”を狙うマスコミの体質も
相変わらずで、行政担当者にも「リスコミは説得だ」との誤
った認識をもつ向きがあり、リスクコミュニケーションの問
題の根はかなり深そうです。

今後完成する報告書がどのようなものになるか不明な点もあ
りますが、是非様々な分野、場面で活用され、企業の情報
公開に伴う判断基準の一助となることを願うばかりです。

                      代表取締役社長  元山 裕孝
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