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【サイエンスフォーラム通信  2016年 5月号】   2016.05.02 発行
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≪映画「ハンナ・アーレント」を想起した第4回原料原産地表示制度
             検討会≫

4月27日(水)、「加工食品の原料原産地表示制度に関する検討会」
第4回会合が開かれました。当日の配布資料は下記URLでご覧いただ
けます。
http://www.caa.go.jp/policies/policy/food_labeling/other/kakousyokuhin_kentoukai.html

当日は生産者2名、食品業界4名、消費者団体3名からそれぞれ意見が
述べられましたが、それを聞きながら唐突にも映画「ハンナ・アー
レント」を思い出しました。
わが国でも2013年に公開されたドイツ映画でご存知の方も多いこと
と存じますが、本国ドイツはもとよりフランス、アメリカでも大
ヒットを記録し東京国際映画祭で絶賛された衝撃の実録です。
 
世界的に高名なユダヤ人哲学者ハンナ・アーレントが1961年、歴史
的なアイヒマン裁判を傍聴しそのレポートを63年「ザ・ニューヨー
カー誌」に発表したことで、「悪の凡庸さ」を主張し続けた彼女は
世界中から激しいバッシングを浴びます。
「悪の凡庸さ」に関し、フェリス女学院大学教授 矢野久美子氏は
以下の通り解説しています。

「裁判でアーレントが見たアイヒマンは、怪物的な悪の権化では
けっしてなく、思考の欠如した官僚でした。アイヒマンは、その
答弁において紋切型の決まり文句や官僚用語をくりかえしていま
した。アイヒマンの話す能力の不足は、考える能力、「誰か他の
人の立場に立って考える能力」の不足と結びついている、とアー
レントは指摘しました。(中略)ナチスによって行われた巨悪な
犯罪が、悪魔のような人物ではなく、思考の欠如した人間によって
担われた、と彼女は考えました。」(NHK ONLINE 2014年6月25日
 視点・論点「ハンナ・アーレントと“悪の凡庸さ”」より)
 
さて第4回検討会です。なぜ映画「ハンナ・アーレント」を想起し
たかと言うと、当日の生産者、消費者団体側の主張が極めて紋切
型で、「全ての食品に原料原産地表示を行うことで既に国の方向
が示されている。」と“錦の御旗”を振りかざす始末。「いろい
ろ課題が出ているが、それらをどうクリアして消費者に正しく情
報を伝えていくかを考えるべき」との意見で終始しており、僭越
ながらほとんど“思考停止”と筆者が感じたからだと思います。
  
そうした中で、久々に説得力のあるお話しを伺った印象をもった
のは日本果汁協会専務理事 川村和彦氏の主張です。同氏は農林
水産省のOBで、「行政における原料原産地表示の最初の担当者と
して、皆様に熟慮をお願いしたい」と下記の意見を述べられまし
た。
 
● 生鮮食品と加工食品の原料原産地表示の実行可能性は全く異
   なる。生鮮食品の延長線上で加工食品を考えることは不適切。
   さらに、7〜8割ができそうということで原料原産地表示の品
   目や基準を設定することは、罰則を伴う行政制度としてはあ
   ってはならない。

● 果実飲料の場合、(1)国産果汁の不安定性、(2)輸入国が絶え
   ず変化する、(3)国産と輸入のブレンドが一般的、等の制約
   条件があり、原料原産地表示の義務化は実行可能性の面で実
   態にそぐわない。さらに果実飲料の場合、原料原産地が分か
   らない場合がある。

● 国際基準との整合性の面でも問題がある。原料原産地表示の
   検討に着手した16年前から現在まで、原料原産地表示がグロ
   ーバルにならず、韓国と日本のみのローカルルールで あり
   続けたことが、原料原産地表示の難しさを端的に示している。

以上の川村氏の主張と対局に位置するのが「食品表示を考える
市民ネットワーク」代表 神山美智子氏の意見です。
同氏のご意見は下記の通り。

● 原料原産地表示の品目拡大の歴史は、まさに“実行可能性の
   呪縛”である。実行可能なものから拡大しようとしてきた結
   果、このように複雑で理解できないルールになってしまった。
   ルールはもっとシンプルで分かりやすいものであるべき。

● 実行可能性の意義は否定しないが、これを最初に考えるべき
   ではない。先ず必要なことは、全ての加工食品に原料原産地
   表示を義務づけること。実行が難しいものがある場合は例外
   の部分として考えるべきで、最初に実行可能性から入るのは
   間違っている。

● 表示義務選定の2要件と50%ルールはすべて撤廃すべき。さ
   らに、消費者が本当に原料原産地情報を求めているのか、
   国産のものを食べたいと思っているのかということは、ル
   ールを決める際には全く関係ないこと。商品の売買にあた
   り売り手はその商品の情報をすべて公開する義務がある。
   消費者はそれを知る権利と、権利を行使する義務がある。
 
本来なら両者の対極的な主張を掘り下げて議論すべきところ、
相変わらず「一通りご意見を伺いました」式の並列的な意見
の羅列に止まり、検討会委員からの質問と意見交換は僅か30分、
本質的な議論は皆無です。しかも食品業界の委員から神山氏
を初め義務化推進派に対する質問、反対意見はほとんど出さ
れず、「なぜ?」との思いが残りました。
正直なところ、前々回の本メルマガ3月号でご紹介した4年前
の意見交換会で業界団体の責任者の方々から発せられた裂帛
の言葉、そこに込められた怒りが、時を経た今回何故か伝
わってきません。
 
生意気を申し上げて大変恐縮です。先月号でもお伝えした
通り消費者庁、農林水産省、森光座長、生産者団体、一部の
消費者側委員が緊密に連携し、“義務化包囲網”の雰囲気の
中で議論が進められている以上、政治的な判断で予め方向性
が決められその影響をもろに受ける食品業界の各委員はタッ
グを組んで、相手側の論理を突き崩す主張をもっと鋭く、
意識的に展開すべきではないかと思った次第です。
 
あたかも自明の如く連呼される「消費者の知る権利」「消
費者が求めている」の言葉を聞きながら、再び「ハンナ・
アーレント」に意識が戻ります。
 
「アーレントにとって「思考の欠如」とは、表層性しかな
いということでもありました。怪物的なものでも悪魔的な
ものでもない、表層の悪が、人類に対する犯罪、人間をほ
ろぼしうるような犯罪をもたらすという、前代未聞の現代
の悪のありよう。それが、彼女の導き出した結論でした。」
(矢野久美子氏:前出)

第5回検討会は6月13日(月)です。出来る限りお伝えす
る所存です。

          代表取締役社長  元山 裕孝
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【会  場】連合会館
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【定  員】50名

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【受講料】定価 38,000円(税別)→ web価格 36,100円(税別)
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【開催日】2016年 6月 9日(木)〜  6月 10日 (金)
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【受講料】定価 60,000円(税別)→ web価格 57,100円(税別)
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【開催日】2016年 6月 21日(火) 10:00 〜 16:35 
【会  場】連合会館 2階 「201会議室」
【受講料】定価 33,000円(税別) → web価格 31,350円(税別)
【定  員】50名

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http://www.science-forum.co.jp/seminar/91614.htm
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http://www.science-forum.co.jp/seminar/print/2016/91614.pdf
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▼ 2016年度 入門講座 初めての食品微生物 第2講座
 微生物事故から工程改善へ 〜 現場で役立つ微生物対策のポイント 〜
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【開催日】2016年 7月 7日(木) 10:00 〜 17:00 
【会  場】連合会館 2階 「201会議室」
【受講料】定価 38,000円(税別) → web価格 36,100円(税別)
【定  員】48名

⇒ 詳細・お申し込みはこちらから↓
http://www.science-forum.co.jp/seminar/91615.htm
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【開催日】2016年 7月 20日(水) 10:30 〜 16:00 
【会  場】連合会館 2階 「201会議室」
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【会  場】連合会館 2階 「201会議室」
【受講料】未定
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→ http://www.science-forum.co.jp/podbooks/0294.htm

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→ http://www.science-forum.co.jp/podbooks/0316.htm
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◆ 微生物胞子
→ http://www.science-forum.co.jp/podbooks/0317.htm
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◆ 食品工場排水の最適処理ハンドブック
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