
第8回 ここが聴きどころ!
日々製造現場の微生物学的な問題解決に努力されている皆様に少しでもお役に立ちたいと2012年からスタートした本研究会。ご期待に十分お応え出来ていない点はございますが、芽胞菌制御に関し集中的に議論し知見を共有する場としての役割を果たすべく、このたび第8回研究会を開催することと致しました。
プログラムの柱は、(1)制御対象となる重要危害微生物の理解、(2)食品工場における制御の実際、(3)効果的制御のための汚染指標菌の設定方法、(4)日配食品の汚染源迅速推定システム、の4点です。
重要危害微生物は今回「ウェルシュ菌」を採り上げました。ウェルシュ菌の芽胞形成をモニターするアッセイ系を開発しウェルシュ菌食中毒の制御法に精力的に取り組まれている大阪府立大学大学院の三宅眞実博士(獣医学専攻)に最新の研究成果をご紹介戴きます。
工場における汚染実態とその対策は、江崎グリコ株式会社のご協力のもと、中国食品工場での耐熱性菌による製造ライン汚染に関し、同社商品開発研究所の野村耕司氏に実体験を語って戴きます。
本研究会のコーディネータ 中西弘一氏(農学博士)には清涼飲料水における製品設計のベースとなる芽胞菌の耐熱性評価法と、前回(第7回)の研究会で十分ご説明戴く時間がなかった「殺菌管理指標菌の設定方法」について詳しく解説して戴く予定です。
4題目はアース環境サービス株式会社バイオリサーチフェローの猪野 毅氏(理学博士)に、微生物を同定せずフローラ解析で迅速に汚染源を推定しクレーム削減を実現する独自のシステム『ラピコム』の日配食品への適用事例をご披露戴きます。
最後に、ご参加の皆様から頂戴する質問票にもとづき、製造現場における芽胞菌対策の“相談所”を目指して実践的なQ&Aと情報交換を展開する所存です。
本研究会の講師陣とのネットワークを活用され、各位の製造現場に即した問題解決の糸口、ヒントをキャッチし現場での観察力を磨いて戴けることを、主催者として心より願っております。